ドバイ電気水道局、株式公開で7500億円調達へ

【ドバイ=福冨隼太郎】アラブ首長国連邦(UAE)のドバイで電力と水道を供給するドバイ電気水道局(DEWA)は6日、新規株式公開(IPO)で223億ディルハム(約7500億円)を調達する見通しだと発表した。中東地域では2019年にサウジアラビアの国営石油会社サウジアラムコが上場して以来の規模となる。
4月12日にドバイ市場に上場する。DEWAの発行済み株式の18%(90億株)を売り出す計画で、UAEでのIPOとしては過去最大となる。上場時の時価総額は1240億ディルハムとなる。米ブルームバーグ通信などは19年のアラムコ以来、欧州・中東・アフリカ地域で最大規模のIPOだと報じた。残りの82%の株式はドバイ政府が引き続き保有する。
ドバイでは高層ビルや大型商業施設などの開発が続いており、電力や水道水の需要も高まっている。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う入国制限などは21年10月から22年3月まで開かれていた国際博覧会(万博)に合わせて緩和され、感染拡大当初に落ち込んだ観光客も回復している。
DEWAによると現在約350万人のドバイの人口が40年には約580万人に達する見通し。開発の拡大に合わせ、電力と水道の供給能力増加に向けた投資が進む。すでに導入している太陽光発電の拡大など、脱炭素化の取り組みも進めるとしている。
DEWAの上場はドバイ政府が進める政府系企業の株式上場による民間資本受け入れ策の一環だ。ドバイ政府は株式を保有する企業の上場を進める考え。資本市場を活性化させ、UAEの首都アブダビやサウジアラビアの首都リヤドなどの市場と競う狙いがある。