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欧州でそろり「封鎖」緩和 旅行受け入れ、夜間外出も

(更新)
閉鎖されたレストランの前を歩くマスク姿の女性(6日、パリ)=ロイター

欧州各国で新型コロナウイルスを抑えるためのロックダウン(都市封鎖)を緩和する動きが広がっている。ドイツではワクチンを接種すれば夜間でも外出できるようにし、イタリアは外国人観光客の受け入れを始める。フランスも段階的に制限を撤廃する方針だ。疲弊した経済を支え、市民の不満をそらす狙いだが、感染再拡大の危うさも残る。

「正常化に向けた重要な一歩」(ランブレヒト独法相)。ドイツ政府は4日、ワクチン接種者らを対象に、厳しい行動制限を一部緩和すると決めた。7日に上院が認めれば、週末にも実施される見通しだ。今のところ恩恵にあずかれるのは高齢者など一部に限られるが、ワクチン普及とともに経済効果も高まるとみられる。

ワクチン接種が完了した人や新型コロナウイルスに感染して回復した人であれば、感染が激しい地域で実施されている夜間外出禁止などの適用外となる。検査で陰性が証明された人と同じ扱いになり、商店などに検査なしで訪問できるようになる。

イタリアのドラギ首相は4日、5月半ばから外国人観光客の受け入れを再開する考えを示した。地元メディアによると、ワクチン接種や陰性の証明を条件に、まずは欧州連合(EU)加盟国などから外国人観光客の入国を認める。ドラギ氏は「イタリアでの休暇を予約する時が来た」と述べ、受け入れ準備は整っていると強調した。

旅行シーズンの夏に向け、主要産業である観光の回復につなげるのが狙いだ。EUの欧州委員会は3日、現在は原則禁止している不要不急のEUへの渡航の規制緩和を加盟国に勧告。月内にも加盟国の承認を取り付け、6月からの実施を目指す。

フランスではマクロン大統領が、長距離移動や飲食店営業の制限を5月3日から4段階で緩和すると明らかにした。感染者はピークの1日4万人から下がったとはいえ、まだ2万人台と高い。それでもマクロン氏は「人間を第一に考えた上での選択。感染者数の推移だけを見ていればいいというものではない」と語る。

5月3日に長距離の移動制限を撤廃した。飲食店は19日からテラス席での営業をテーブル1台当たり客6人の上限付きで認める。閉鎖中の商店、美術館、映画館も再開する。6月9日にはスポーツジムの再開を認め、外国人観光客を受け入れる。4段階目となる同30日には夜間外出制限を撤廃する。

各国の制限緩和の背景には、感染がようやく下火になってきたことがある。EUの1日当たり感染者数(7日移動平均)は3月末には16万人を超えていたが、足元では10万人を切っている。ワクチンを少なくとも1回以上受けた人の割合がドイツで30%、EU全体で26%まで増え、収束への期待も高まりつつある。

ただ、感染が完全に収まったわけではなく、経済再開を急ぎすぎれば、まだ欧州では少ないブラジル型やインド型などが拡大するリスクもある。感染が再燃して再び行動制限を強めることになれば、経済の停滞はかえって長引いてしまう。6月の仏地方選、9月の独連邦議会選(総選挙)を前に市民の不満がますます強まる恐れもある。

(ベルリン=石川潤、ウィーン=細川倫太郎、パリ=白石透冴)

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