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英中銀、21年の成長率予測7.25%に上げ 金融政策は維持

(更新)
ロンドン金融街シティーのイングランド銀行(写真は2020年3月)=AP

【ロンドン=篠崎健太】英イングランド銀行(中央銀行)は6日公表した金融政策報告書で、2021年の英経済の実質成長率について7.25%との予測を示し、2月時点の5%から大きく上方修正した。金融緩和策は据え置いたが、政策委員の1人は景気見通しの改善や中期的なインフレリスクを挙げ、国債買い入れ枠の縮小を主張した。

英国では新型コロナウイルスの感染拡大に伴うロックダウン(都市封鎖)が響き、20年の成長率はマイナス9.8%と、減少率が1709年以来311年ぶりの大きさを記録した。人口の多くを占めるイングランドでは今年3月下旬から、感染状況の改善を受けて行動規制の段階的緩和に動き出した。イングランド銀は経済活動の再開で4~6月期から景気が急浮上するとみている。

ベイリー総裁は同日の記者会見で「新規感染者数の減少が続いてワクチン接種が迅速に進み、経済活動の規制が緩和に向かっている」と述べた。インドでの感染深刻化など不透明要因は残るものの、21年の英経済は「力強く回復する」との見解を示した。22年の成長率予測は5.75%と、2月時点の7.25%から引き下げた。

5日まで開いた金融政策委員会では、政策金利を過去最低の年0.1%に維持することを9委員の全会一致で決めた。量的緩和策は、国債と社債の買い入れ枠を総額8950億ポンド(約136兆円)で据え置くことを8対1の賛成多数で決めた。経済の余剰能力解消や物価上昇率2%の安定的な達成が確実に見込めるまで、金融引き締めには動かない方針を再確認した。

一方、チーフエコノミストのハルデーン委員は「景気急回復の明確な証拠がある」として、国債購入枠の500億ポンド減額を主張した。新型コロナ危機後、委員から引き締め方向の提案が出たのは初めてだ。

コロナ危機対応で増強された資産購入枠は、21年末ごろに残高が上限に達する見通し。足元では週44億ポンドのペースで国債を買い入れている。イングランド銀は6日、10日以降は週34億ポンドに減らすと通知した。ベイリー氏は「テーパリング(量的緩和の縮小)ではない」と強調したが、事実上、危機モードからの脱却に歩み始めることになる。

3月の英消費者物価指数(CPI)の前年同月比上昇率は0.7%だった。イングランド銀はエネルギー価格の上昇を背景に、21年末に向けて目標の2%を一時的に上回る可能性があるとみている。ベイリー氏は市場のインフレ期待は「維持されている」と語り、物価動向について特段の懸念は持っていないとの考えを示した。

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