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ユーロ圏、成長率を上方修正 21年末に危機前水準を回復

規制が緩和され、シャンゼリゼ通りをマスクなしで歩く人々(6月、パリ)=AP

【ベルリン=石川潤】欧州連合(EU)の欧州委員会は7日、夏の経済見通しを公表し、ユーロ圏の2021年の成長率予測を前回5月時点の4.3%から4.8%へと大幅に上方修正した。新型コロナウイルスの感染拡大にブレーキがかかり、経済の正常化が想定以上のペースで進んでいるためだ。インド型(デルタ株)拡大などのリスクは残るが、景気の先行きへの楽観論が強まっている。

22年の成長率も4.5%と前回の4.4%から引き上げた。欧州委員会は年4回、経済見通しを公表しており、前回5月に続く成長率予測の上方修正となった。

実質域内総生産(GDP)は従来の予想よりも1四半期早い21年10~12月に危機前水準を回復する見込み。欧州委員会のドムブロフスキス上級副委員長は発表文で「欧州経済は力強い復活を遂げつつある」と指摘した。

ユーロ圏経済は21年1~3月まで2四半期連続のマイナス成長となったが、4~6月には力強い回復に転じたもようだ。4~6月の成長率は前期比1.3%、7~9月は2.9%でさらに勢いが増すとみている。

成長のけん引役は、経済再開による個人消費の高まりと企業の設備投資などだ。IHSマークイットが5日公表したユーロ圏の6月の購買担当者景気指数(PMI、総合)改定値は15年ぶりの高水準となった。旅行客の復活やようやく動き始めた7500億ユーロ(約100兆円)規模のEU復興基金、好調な輸出も回復を後押しする。

国別ではドイツの21年の成長率が3.6%(5月時点は3.4%)、フランスが6.0%(同5.7%)、イタリアが5.0%(同4.2%)でいずれも上方修正となった。EU全体では4.8%(同4.2%)となる。

ユーロ圏の消費者物価上昇率は21年が1.9%(5月時点は1.7%)、22年が1.4%(同1.3%)になる見通しだ。21年後半には欧州中央銀行(ECB)が目指す2%を大きく上回るが、エネルギー価格上昇やドイツの付加価値減税の反動などの特殊要因が消える22年以降は、物価上昇の勢いが落ちるとみている。

先行きのリスクについては「高いが、全体として(上下両方向の)バランスが取れている」とした。英国だけでなく欧州大陸でもデルタ株が広がり始めており、景気・物価への影響にはなお見通しにくい面がある。

6月のドイツの乗用車生産が前年同月比19%減になるなど、半導体不足の影響も広がっている。欧州委員会は供給制約がなかなか解消されない場合、物価上昇率が予測を上回る可能性もあるとした。

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