ノルウェー、EVシェア通年でも過半に 20年54%

【フランクフルト=深尾幸生】ノルウェーの2020年の新車販売(乗用車)で電気自動車(EV)が初めて全体の半分を上回った。ノルウェー道路交通情報評議会(OFV)が5日発表した同年のEV販売台数は19年比27%増の7万6804台で、シェアは54%と12ポイント上昇した。単月では過半に達していたが通年で超えるのは初めてだ。

年間を通じて最も売れた車種は独アウディのEV「e-tron」だった。米テスラ「モデル3」、独フォルクスワーゲン(VW)「ID.3」と続き、上位をEVが独占した。EVシェアが1%以下だった2010年から10年で市場が大きく変わった。以前からEVの税金が抑えられていたことに加え、各社が品ぞろえを増やしたことで一気に市場が拡大した。
プラグを差して充電するプラグインハイブリッド車(PHV)の20年のシェアは20%だった。ガソリン車とディーゼル車はそれぞれ8%と9%にとどまった
12月単月ではEVは67%、PHVを合わせると9割弱に上る。ノルウェーは25年までにすべての乗用車の新車をEVや燃料電池車(FCV)など温暖化ガスを排出しない「ゼロエミッション車」にすることを目指しており、消費者のエンジン車離れが進んでいる。
21年も多くのEVの新型車が発売される予定で、ノルウェー電気自動車協会は21年のEVシェアが65%に上がると予測している。