/

南アフリカGDP、4~6月0.7%減 インフラ老朽化響く

【イスタンブール=木寺もも子】南アフリカ統計局は6日、4~6月期の実質国内総生産(GDP)が1~3月期から0.7%縮小したと発表した。マイナス成長は3四半期ぶり。輸出資源の石炭、鉄鉱石などの需要が世界的に増すなか、港や鉄道など輸送インフラの老朽化や電力不足で十分に応えられていない。

1~3月期の成長をけん引した製造業は5.9%減、鉱業が3.5%減などだった。実質GDPは新型コロナウイルスの影響を受けていない2019年10~12月期を下回った。

ウクライナ侵攻を巡っては、インフレ対策として南ア準備銀行(中銀)が大幅な利上げを迫られる一方、ロシア産エネルギーの代替調達先として南アが注目されるなどプラスの影響もあった。南アの石炭輸出拠点を運営するトゥンゲラ社によると、欧州向けの石炭輸出は1~6月、前年同期の8倍に増えた。

南アは機会を生かし切れていない。運輸公社のトランスネットによると、4~6月の港のコンテナ取扱量は前年同期から1割以上減った。4月に起きた洪水で主要な東部ダーバン港が被害を受けたほか、老朽化で国内のインフラは慢性的な機能不全に陥っている。

南アはマネーロンダリング(資金洗浄)への対策を審査する国際組織「金融活動作業部会」(FATF)の「監視対象国」入りの瀬戸際にもある。10月の会合までに汚職対策などを示せなければ、各国が南ア金融機関との取引審査を厳格化するなど、ビジネスコストの上昇を招きかねない。

PwCは8月末に公表したリポートでインフラの問題を指摘し、「世界経済の回復スピードが時速100キロ超なら、南アは60キロだ」と形容した。コロナ禍で20年、6.3%縮んだ経済は21年に4.9%回復したが、PwCは22年の成長率を2%、中期的な潜在成長率を1.5%と予想する。

植民地時代の19世紀に遡るアフリカきっての鉄道網は線路や架線の盗難が横行し、安定運行ができない。前政権時代の腐敗と放漫経営で巨額の債務を抱える国営電力会社のエスコムは設備の更新ができず、毎週のように計画停電に追い込まれる。

ズマ前大統領の辞任後、18年に就任したラマポーザ大統領は改革を掲げる。独立した運輸監督当局の設立などを盛り込んだ改正法を年内にも成立させ、電力を巡ってはエスコムの分社化や、再生可能エネルギー分野への民間参入を目指す。

ただ、党内で多数派を占めるズマ派や強固な労働組合の抵抗にあい、改革の進捗は遅々としたままだ。6月にはラマポーザ氏自身にも脱税などの疑惑が浮上し、政策推進への影響が懸念される。

すべての記事が読み放題
有料会員が初回1カ月無料

セレクション

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
新規会員登録ログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
新規会員登録 (無料)ログイン
図表を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した図表はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン