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イスラエル、ワクチン接種の60歳以上で感染4割減

(更新)

【カイロ=久門武史】国民の約4割が新型コロナウイルスのワクチン接種を少なくとも1回受けるなど世界最速ペースで進むイスラエルで、接種の効果を示す初期データが相次いでいる。優先接種の対象とした60歳以上では新規感染が4割減ったとの分析がある。検証が必要だが、感染や重症化を抑える期待が広がる。

「ワクチンの直接的な効果だ」。イスラエルのネタニヤフ首相は4日の閣議で「過去16日間で60歳以上のうち重症で入院した人は26%減り(陽性と)確認された例は約45%減った」と強調した。

同国のワイツマン科学研究所のエラン・セガル教授も4日、60歳以上で新型コロナ陽性と確認された例が過去3週間で41%減ったとツイッターで報告した。入院した人は31%減、うち重症患者は24%減ったという。

イスラエルでの接種は2020年12月に始まった。優先対象となった60歳以上の8割が接種を受けた。後回しになった若い世代と比べて感染や重症化のケースが顕著に減ったと同氏は指摘する。

「実戦」での接種で、これだけの規模で結果判明するのはイスラエルが初めて。英BBCによると、60歳以上で全2回のワクチン接種を済ませた約75万人のうち、検査で陽性と確認されたのは531人(0.07%)にとどまった。入院が必要な患者は軽症者を含めても38人だった。

人口が約900万のイスラエルでは、米ファイザーなどが開発したワクチンを中心に接種が進む。国民の約4割にあたる約330万人が少なくとも1回のワクチンを接種し、全2回の接種を終えた人は190万人超と人口の2割超に達する。

12月からの短期間で高齢者への接種普及を実現した同国で効果を具体的に示すデータが相次いでいることは、これから接種が始まる日本にとっても、希望を持てる結果といえそうだ。

4日からはワクチン接種の対象を16歳以上の全国民に拡大した。ネタニヤフ首相は、3月末までに16歳以上のすべてがワクチンを接種する目標を掲げる。国民皆保険のイスラエルでは個人の医療記録を電子的に蓄積し分析する公的な仕組みを整えており、ワクチン接種でも速やかなデータ集計の背景になっている。

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