ジョンソン英首相、追加規制を否定 コロナ入院患者増も

【ロンドン=佐竹実】ジョンソン英首相は4日に記者会見し、新型コロナウイルス対策の追加の行動規制を敷かないと述べた。変異型「オミクロン型」が急拡大し、入院患者も増えているが、過去の流行時のように重症者が増えていないと指摘した。
人口の大半を占めるイングランドでは現在、在宅勤務の推奨や公共交通機関でのマスク着用義務などの比較的緩い規制にとどまっており、レストランなどは通常通り営業している。
ジョンソン首相はワクチン接種や過去の感染で多くの人が免疫を持っているとした上で、「国を再び閉じることなく、オミクロンの波を乗り切れる可能性がある」と述べた。入院患者はイングランドだけで1万5千人を超えるが、集中治療室(ICU)に入る重症者は過去の流行時のように増えていないと指摘した。骨折など他の原因で入院し、検査で陽性となるケースも少なくないという。
ICUに入る患者の9割はワクチンの追加接種(ブースター接種)を受けていないとして、国民に接種を呼びかけた。オミクロンはデルタ型に比べて重症化率は低いが、感染者が急増したことで医療スタッフが働けなくなるケースが相次いでおり、いくつかの病院は非常事態を表明している。
英政府が4日発表した新規感染者数は約21万8700人と過去最高だった。1年前のピークの3倍超の水準だが、入院患者や死者数は過去の流行時のようには増えていない。