フランス、ウクライナに装甲車供与へ 欧米製で初

【イスタンブール=木寺もも子】フランスのマクロン大統領は4日、ウクライナのゼレンスキー大統領と電話し、仏製の装輪装甲車「AMX10 RC」を供与すると伝えた。AFP通信などが報じた。仏側によると欧米製の装甲車がウクライナに供与されるのは初めてで、これまでより踏み込んだ軍事支援になる。
仏大統領府は供与する台数や時期などの詳細は明らかにしなかった。ゼレンスキー氏はSNS(交流サイト)で「軽戦車を供与する決定に感謝する」と述べたうえで、マクロン氏との電話協議で「防空能力などを大幅に強化するためのさらなる協力に合意した」とも明らかにした。
ウクライナは反攻作戦を視野に、ロシア軍との地上戦に有効な戦車や装甲車の供与を欧米に求めてきた。既に東欧などの旧東側諸国は旧ソ連製の戦車を供与しており、米国もウクライナのためにチェコが保有する旧ソ連製戦車の改修を支援するなどしていた。ロシアとの軍事的緊張の高まりを恐れる米欧は西側製の戦車供与に慎重だった。
仏軍のホームページによると、「AMX10 RC」は機動性の高い4人乗りの偵察用装甲車両。フランスは運用するための訓練も提供する。
ゼレンスキー氏は3日夜のビデオ演説で、ロシアが大規模攻勢のために新たな兵士動員を計画しているとの見方を示し、「ロシアの計画を阻止しなければいけない」と述べた。

2022年2月にロシアによるウクライナへの軍事侵攻が始まって1年になります。戦況や世界各国の動き、マーケット・ビジネスへの影響など、関連する最新ニュースと解説をまとめました。
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