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コロナ飲み薬を英が承認 軽症者向け、米メルクなど開発

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【ロンドン=佐竹実】英医薬品・医療製品規制庁(MHRA)は4日、米製薬大手メルクが新型コロナウイルス向けに開発した飲み薬を承認したと発表した。自宅で服用できる新型コロナの抗ウイルス薬の承認は世界で初めて。コロナ対策の切り札と期待されている。

MHRAが承認したのは、メルクが米新興リッジバック・バイオセラピューティクスと共同開発する「モルヌピラビル」。ウイルスの体内での増殖を抑える。MHRAによると、臨床試験(治験)では感染の初期段階で服用すると最も効果的だったという。検査で陽性となり、症状が出てから5日以内にできるだけ早く服用することを推奨している。

メルクによると重症化リスクのある軽度から中程度の症状のコロナ患者で、入院や死亡リスクを約50%低くする効果が治験で確認された。同社は2021年内に1000万回の治療にあたる量を生産する予定で、22年末までに世界8カ国にある自社工場で生産できるよう投資を進め、生産量を年間2000万回分に増やす。

日本の厚生労働省はモルヌピラビルについて、年内にも特例承認して国内で使用できるようメルクと調達協議を進めている。厚労省は米国など海外で使用許可が下り、国内で承認申請されれば審査を簡略化する特例承認の適用を想定する。

岸田文雄首相は1日の記者会見で「早期治療の切り札である飲み薬について年内実用化を目指し、承認された薬について必要量を確保する」と述べた。

英国は1日4万人程度の新規感染者が出ているが、死者や重症者が急増していないことからコロナと共生していく路線を変えていない。だが足元では入院患者数がやや増えており、冬に医療体制が逼迫する懸念もある。ジャビド保健相は4日、「英国にとって歴史的な日だ。モルヌピラビルをできるだけ早く患者に投与できるよう計画を立てている」とコメントした。

化合薬のモルヌピラビルは、ワクチンや抗体カクテル薬と比べて製造しやすい。メルクは10月、国連の関係機関がつくった非営利団体(NPO)「医薬品特許プール(MPP)」にモルヌピラビルの製造ライセンスを供与すると発表した。後発薬メーカーなどが途上国向けに安価に生産できるようになる。アフリカ諸国などワクチンの供給が遅れる地域では、重要な選択肢となる。

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