英首相「コロナと共生を」 19日に都市封鎖解除へ
【ロンドン=佐竹実】英政府は4日、イングランド地方における新型コロナウイルス対策のロックダウン(都市封鎖)が予定通り19日に解除される方向だと発表した。ジョンソン英首相は「ウイルスとの共生を学びはじめると同時に、コロナのリスクを慎重に管理しなければならない」と述べた。
5日に首相が記者会見して解除に向けた詳細な内容を発表する。感染状況を見ながら、12日に最終判断をする。感染者が増えていることから、マスク着用などの一部規制は残る可能性もある。
ジョンソン首相は、「ワクチン接種プログラムが成功したことで、(都市封鎖の解除に向けた)ロードマップを慎重に進めている。どのように人々の自由を取り戻すかを説明する」と述べた。

英国では、4日時点で1日約2万4千人が新たに感染した。人口が約2倍の日本に当てはめると1日あたり5万人近くが感染している計算だ。都市封鎖を段階的に緩和する中で6月以降、感染力の強いデルタ株(インドで確認された変異ウイルス)が若者を中心に広がっている。

だが、英国の1日の死者数は4日時点で15人で、入院者数もこれまでの流行時のように増えていない。成人の64%が2回のワクチン接種を受け、効果が出ている。英政府によると、米ファイザーと独ビオンテックのワクチンを2回接種した場合、重症化や入院を96%防いだ。英アストラゼネカと英オックスフォード大のワクチンを2回接種した場合は92%だった。
首相官邸は、「ジョンソン首相は、新型コロナがインフルエンザのように我々と共生するウイルスになることを説明するだろう」と述べた。ジャビド保健相は6月28日、「新型コロナのリスクがゼロになることはない。我々はそれを取り除くのではなく、共生することを学ばなくてはならない」と述べている。米CNNによるとシンガポールの閣僚の一部も感染者の集計をやめて共生を図ることを提案している。
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