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トルコ4月CPI上昇率70% 暮らし圧迫も緩和を維持か 

【イスタンブール=木寺もも子】トルコ統計局は5日、4月の消費者物価指数(CPI)上昇率が前年同月比69.97%だったと発表した。経済成長を優先した金融緩和の副作用で、庶民の暮らしは20年ぶりの高水準のインフレに圧迫されるが、政府は新たな低金利ローンを導入するなど金融政策を転換する気配はみられない。

3月の61.1%からさらにインフレが加速した。食料品は89.1%で、イスラム教徒が祝うラマダン(断食月)と重なった4月、一般市民の食卓を直撃した。大手スーパーでは日没後のごちそうに使う食材のセットが昨年の2倍の値段で売られていた。

中央銀行は4月28日、年末時点でのCPI上昇率が42.8%になるとの見通しを公表した。3カ月前の見通し(23.2%)から大幅に引き上げた。ウクライナ情勢を受けたエネルギー価格の高騰や通貨リラ安が原因だと説明した。

中銀はインフレのピークが5月になるとしたが、市場ではより悲観的な見方もある。前中銀チーフエコノミストのハカン・カラ氏は10月ごろに80%台まで上昇する可能性があるとみる。CPIの先行きを占う4月の卸売物価指数(PPI)は121.8%増だった。

各国がインフレ抑制のための金融引き締めにかじを切ったが、トルコは消極的だ。エルドアン大統領は「金利が下がればインフレは解消する」という経済学の定石と逆の理論を提唱し、景気浮揚のための低金利を推奨する。足元のインフレ率を考慮した実質金利はマイナス50%台に沈み、通貨リラは対ドルで1年前から4割超の価値を失った。

エルドアン氏は引き締めと逆に4月、政策金利を下回る9%の低金利ローンを輸出や観光業の企業に提供すると発表した。リラを買い支える中銀の外貨準備を積み増すため、同月から外貨収入の40%を中銀に売却してリラに替えることを企業に義務付けており、代わりの「アメ」でこうした制度を継続する狙いがあるとみられる。

緩和策に支えられ、2021年は前年比11%増の経済成長を達成した。足元でも製造業の設備稼働率などは高水準で推移する。一方、4月の消費者信頼感指数は前月比マイナス7%の67.3と過去最低を記録するなど、高インフレは人口8400万人の国内消費に影を落とす。

国際通貨基金(IMF)は4月、22年の成長率が2.7%になるとして、3.3%とした昨年10月時点の予想から引き下げた。

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