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テレノール、ミャンマーで減損860億円 1~3月赤字に

4日、ヤンゴンのショッピングモール内のテレノール店舗

【ロンドン=篠崎健太、ヤンゴン=新田裕一】ノルウェー通信大手テレノールは4日発表した2021年1~3月期決算で、クーデターが起きたミャンマーの携帯通信事業で65億クローネ(約860億円)の減損損失を計上した。国軍による通信遮断の影響でミャンマーでの通信収入は前年同期より25%減った。4~6月期は悪影響が一段と広がる可能性が高い。現地に展開する外資企業への打撃が鮮明になった。

テレノールは減損が響き、1~3月期は最終損益が38億8900万クローネの赤字(前年同期は6億9800万クローネの黒字)に転落した。

シグベ・ブレッケ最高経営責任者(CEO)は声明で「モバイルインターネット規制の長期化はミャンマー市民と同国経済に深刻な影響を与えている」と述べた。減損について「事業環境や治安、人権状況の悪化が続いており改善の見通しは乏しいため」と説明した。当局には速やかな通信環境の改善や人権尊重を求めると強調した。

ミャンマー国軍は2月1日のクーデター実行直後から、SNS(交流サイト)の規制を始めた。3月中旬からは携帯通信網(データ回線)を通じたインターネットへの接続を遮断した。固定回線は一般世帯に普及しておらず、多くの市民がスマートフォンによるネットへの自由なアクセスを奪われた状況が続いている。

テレノールは民政移行後の経済開放を受け、14年に現地で携帯通信事業に参入した外資の一角だ。ミャンマーでの契約回線数は今年3月末時点で1824万件と20年末比で約200万件増えたが、クーデターで事業環境は暗転した。

開示資料によると、今回の減損でミャンマー資産の将来の回収可能価格を「ほぼゼロ」に切り下げた。通信規制が続く同国では「4月を通じて減収が続いた」。クーデターの影響が期を通して及ぶ4~6月期も収支面で厳しい状況が続くとみられる。

ミャンマーの携帯通信事業者は国営のミャンマー郵電公社(MPT)、カタール系のウーレドゥー、ベトナム系のマイテルがある。テレノールのシェアはMPTに次ぐ2番手とされる。MPTは住友商事やKDDIと組んで携帯事業を展開している。

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ミャンマー国軍は2021年2月1日、全土に非常事態を宣言し、国家の全権を掌握したと表明しました。 アウン・サン・スー・チー国家顧問率いる政権を転覆したクーデター。なぜ起きたのでしょうか。 最新ニュースはこちら。

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