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ウクライナ・ザポロジエ原発、攻撃受け再び運転停止

予備系統に接続

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【イスタンブール=木寺もも子】国際原子力機関(IAEA)は3日、南部ザポロジエ原発で稼働中の原子炉2基のうち5号機が再び運転を停止したと発表した。6号機は稼働し、原子炉の冷却や一般家庭などへの電力供給を行っているという。ロシアとウクライナは互いに相手の攻撃によるものだと非難している。

5号機は1日にも停止し、2日に再開したばかりだった。IAEAやウクライナ国営原子力会社エネルゴアトムによると、3日夜の砲撃で、原発と外部をつなぐ4つの電力系統のうち、最後の1つが途切れた。ほか3系統はこれまでの戦闘で既に失われている。

付近の火力発電所とつながる予備の電力系統を通じ、6号機から国内の送電網への電力供給は保たれている。必要が生じた場合はこの予備系統を通じて原発自体の運転に必要な電源も供給できるという。

ウクライナ側は原発の異常について、ロシアの攻撃が原因だと主張している。一方、ロシア国防省は3日、原発を奪還しようとしたウクライナ軍を2日夜に撃退したと発表した。IAEAはどちらの攻撃によるものか言及していない。

IAEAの専門家チームは1日に原発に到着し、施設の損傷状態などを調べている。IAEAのグロッシ事務局長は2日、専門家2人を常駐させる考えを明らかにした。ロシア、ウクライナの双方が同意したという。

トルコのエルドアン大統領は3日、ロシアのプーチン大統領と電話会談し、原発を巡る問題でウクライナとの協議を仲介する意欲を伝えた。トルコは黒海を通じたウクライナ産の穀物輸出を再開するにあたって仲介の役割を果たした。エルドアン氏は今月中旬、上海協力機構(SCO)の首脳会議でプーチン氏と会談を予定している。

原子力災害の懸念が高まるザポロジエ原発は欧州最大の原発で、3月にロシア軍が占領した。運転はロシアの管理下でウクライナ人職員が続けている。

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