ハンガリー右派与党、欧州議会の最大会派から離脱

【ウィーン=細川倫太郎】ハンガリーのオルバン首相が率いる右派の与党「フィデス・ハンガリー市民連盟」は3日、欧州議会の最大会派「欧州人民党(EPP)」から離脱すると発表した。司法やメディアへの介入を強めるなど強権政治を進める同国は、欧州連合(EU)と対立している。
これに先立ち、EPPは同日、政党の除外を可能にする規則変更を賛成多数で可決した。フィデスの排除を視野に入れた動きとみられている。AP通信によると、オルバン首相はEPPのウェーバー代表に宛てた書簡で「この規則変更は敵対的な動きで、不当であり容認できない」と批判した。フィデスが抜けてもEPPは欧州議会で最大会派を維持できる。
これまでも欧州議会の最大会派のなかにフィデスが属していることは、問題視されていた。EPPは2019年にはフィデスの資格停止処分を決め、党の意思決定に関わることや役職への立候補を禁じた。