ドイツ消費者物価指数、12月9.6%上昇 2カ月連続で鈍化

【ベルリン=南毅郎】ドイツ連邦統計庁が3日発表した2022年12月の消費者物価指数(速報値)は、欧州連合(EU)基準で前年同月比9.6%上昇した。伸び率は2カ月連続で鈍化し、4カ月ぶりに10%の大台を下回った。資源高の一服に加え、ドイツ政府によるガス代の一時免除などインフレ対策が影響したもようだ。
ドイツの消費者物価指数はEU基準と国内基準がある。国内基準の伸び率も8.6%と2カ月連続で鈍化した。品目別の上昇率はエネルギーが24.4%、食品が20.7%と高止まりしたものの縮小した。特にエネルギー価格は9~10月の40%超から落ち着きつつある。
22年の平均はEU基準が8.7%と統計で遡れる1997年以降で最高だった。国内基準は7.9%で、独メディアによると旧西ドイツで51年に記録した7.6%を上回った。
ドイツ政府は2023年から、高騰する光熱費を抑えるためガス・電気代の価格上限制を段階的に導入する。先行して22年12月にはガス代を一時免除する「つなぎ措置」を実施。巨額の財政出動で企業や家計の負担を直接和らげる狙いだ。
もっとも、23年のインフレ率は7%台で高止まりするとみられている。欧州中央銀行(ECB)は物価高抑制へ当面も大幅利上げを続ける構えだが、インフレの鈍化が鮮明になれば急ピッチで進めてきた利上げペースの見直しに動く可能性もある。

世界的なインフレの波が日本にも押し寄せています。物価上昇はいつまで続き、経済や企業経営、人々の生活にどのような影響を及ぼすのでしょうか。国内外の重要ニュースや最新の解説記事をまとめました。