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WHO調査団、武漢ウイルス研究所を初訪問 石氏らと面会

(更新)
武漢ウイルス研究所で働く石正麗氏(左)ら(2017年2月)=AP

【大連=渡辺伸、ウィーン=細川倫太郎】新型コロナウイルスの発生源を調べるため世界保健機関(WHO)が中国湖北省武漢市に派遣した国際調査団は3日、中国科学院武漢ウイルス研究所を訪れた。トランプ前米政権がウイルスの流出元だと主張していた施設で、中国政府が訪問を初めて許可した。「バット(コウモリ)ウーマン」の異名を持つ著名研究者、石正麗(シー・ジェンリー)氏らと協議した。

ロイター通信によると、調査団は研究所に約3時間半、滞在した。一員である米国の専門家、ピーター・ダザック氏はツイッターで、石氏らと面会したと明かした。石氏は2002~03年、中国を中心に世界で流行した重症急性呼吸器症候群(SARS)のウイルスがコウモリ起源だと証明して「バットウーマン」と呼ばれるようになった。

ダザック氏は「率直でオープンに議論した。重要な質問にも返答があった」とツイートした。

武漢ウイルス研は中国の感染症研究の中枢だ。20年1月上旬、新型コロナのウイルス株の分離にいち早く成功したという。

トランプ前政権は「武漢ウイルス研から新型コロナウイルスが流出した」と主張していた。ポンペオ前国務長官は退任直前の1月15日、19年秋に同研には「新型コロナと同様な症状を示す疾患の研究員がいた」と指摘した。中国はこれを完全否定した。

武漢ウイルス研に先立ち、WHO調査団は1月31日、世界で初めて新型コロナの集団感染が確認された武漢市の華南海鮮卸売市場を視察した。だが、同市場は20年3月時点で徹底的に消毒され、売られていた野生動物も回収された。このため当時の状況を正確に把握するのは難しかったもようだ。

調査は中国の春節(旧正月)休暇が始まる11日の前には終了する見通しだ。WHOの緊急対応責任者であるマイク・ライアン氏は今回の調査だけで「起源を見つけることが成功ではない」と述べ、真相究明にはなお時間がかかるとの立場だ。欧州メディアはWHOが今回の調査結果を公表するまで、数カ月はかかるとの見通しを伝えた。

調査団が武漢市に入ったのは1月14日だが、その後、新型コロナで家族を亡くした同市の遺族ら約100人が参加するSNS(交流サイト)のチャットグループが閉鎖された。遺族のひとりが日本経済新聞に明らかにした。遺族らは調査団との面会を求めていたが、それを阻むため、中国当局がSNSの運営企業に圧力を加えた可能性がある。

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