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巨大ITの金融事業「監督強化が急務」 BISが提言

(更新)
スイスのバーゼルにあるBIS本部ビル

【ロンドン=篠崎健太】世界の中央銀行でつくる国際決済銀行(BIS)は2日、巨大IT(情報技術)企業の金融事業について当局の監督や規制強化を提言する報告書を公表した。膨大な利用者やデータを持つ巨大ITが金融分野で急速に存在感を高める可能性を指摘した。金融安定上のリスク要因になりうるとして「中央銀行や金融規制当局は監督と展開の把握が急務だ」と強調した。

報告書は「金融におけるビッグテック規制」と題し、カルステンス総支配人や金融安定政策責任者のクラッセンス氏らBIS幹部4人の連名でまとめた。巨大ITの金融参入は「市場支配力の集中やデータ統治をとりまく新たな課題を突きつけている」と記し、金融当局者として危機感をあらわにした。

急激な市場席巻の例として個人の小口決済分野を挙げ、中国ではアリババ集団と騰訊控股(テンセント)系の2社でモバイル決済の94%を占めているなどと紹介した。巨大ITは個人や中小企業向けの融資、保険、資産運用といった領域でも存在感を広げていると説明した。今は支配的な地位になくても中銀にとって安心は禁物だとした。

巨大ITの金融進出に対し、規制当局が垣根を越えて手を携えるべきだとも提言している。市場支配力やデータ保護にも目を配る必要があり、中銀と競争規制当局や個人情報保護当局とのより緊密な連携が欠かせないとみている。

現状では手掛ける金融事業の内容により、銀行業や資金移動業といった業種ごとの許認可の枠組みが適用されている。報告書は巨大ITへの規制にあたっては、一律に同じ網をかける「アクティビティーベース」は十分に機能しない恐れがあり、個別の特性に応じた「エンティティーベース」の視点が求められるとした。

監督規制機関として金融当局だけで巨大IT企業と正面から向き合えるのかは不透明だ。報告書は当面の対応として「金融と非金融の規制機関が国や世界レベルで緊密に連携する必要がある」と説明している。

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