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英中銀が0.75%利上げ 33年ぶり幅、上げ余地は限定的か

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【ロンドン=大西康平】英イングランド銀行(中央銀行)は3日、政策金利を0.75%引き上げて年3%にすると発表した。利上げは8会合連続。利上げ幅は通常の3倍で、約33年ぶりの大きさとなる。トラス前政権の財政政策への懸念で英国の金融市場は動揺する局面もあったが、歴史的な高インフレを抑えるために引き締めを急ぐことにした。

2日まで開いた金融政策委員会では投票権を持つ9人のうち、ベイリー総裁を含む7人が0.75%の利上げに賛成した。1人は0.5%、他の1人は0.25%が適切だと主張して反対した。0.75%の利上げは、1989年10月の1.13%以来の大きさだ。政策金利の水準が3%台に決まるのは、2008年11月以来、約14年ぶりとなる。

異例の利上げの背景にあるのが、高インフレへの危機感だ。英消費者物価指数(CPI)は9月に前年同月比で10.1%上昇した。1982年以来約40年ぶりの高水準だ。声明文では「労働市場の需給は引き締まったままで、コストと価格の上昇圧力が続いており、より強力な金融政策が正当化される」と説明された。

もっともベイリー総裁は記者会見で「インフレ抑制に必要な政策金利の引き上げは、市場が考えるよりも小さい」との見方を示した。金融引き締めによる景気後退の長期化を懸念するためだ。あわせて発表した四半期ごとの金融政策報告書では、2024年の英国内総生産(GDP)の見通しを前年比1%減と、前回8月の0.25%減から下方修正した。

CPIの上昇率は今後2年間のうちに目標とする2%を割り込む水準まで下がり、25年には0%まで落ち着くとの見通しも出した。政府による光熱費を抑えるエネルギー高騰対策は23年5月以降に見直されるが、何らかの財政支出は継続されるとみて物価引き下げに寄与すると予測する。

22年10月に発足した英スナク政権はイングランド銀行との協調姿勢を打ち出す。ハント財務相は「政府の最優先課題はインフレ抑制であり、中央銀行は今日、インフレを目標に戻すために行動を起こした」とのコメントを出した。

イングランド銀行は金利と国債保有量の両面で引き締めを急ぐ。11月1日には、約1カ月延期していた保有国債の売却も始めた。9月下旬に英トラス前政権の大型減税策による財政への懸念から国債利回りが急上昇し、緊急の国債買い入れ策導入などの対応に追われたが、従来路線へ戻ったことになる。

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