トルコ財務相が辞任、大統領と不一致か 後任に副大臣

【イスタンブール=木寺もも子】トルコのエルバン財務相が1日、辞任した。同氏は、インフレが加速する中で金融緩和を進めるエルドアン大統領の政策に批判的とみられており、不和が伝えられていた。2日付の官報で明らかにされた。
後任にはヌレッティン・ネバティ副大臣が就いた。ネバティ氏は自身のツイッターで「現在の市場環境で、政策金利をインフレ率より高く維持する必要はない」などと述べ、エルドアン氏の利下げ政策に賛意を示していた。
エルドアン氏は「金利を下げればインフレは下がる」と繰り返し、競争力のある為替水準が輸出や雇用を拡大するという認識を示す。一方エルバン氏は11月、議会で「生産性の向上による成長でなければ持続可能な成長モデルといえない」などと述べ、為替安による輸出促進を否定していた。
トルコは9月以降、主要政策金利の1週間物レポ金利を年19%から15%に引き下げた。約20%のインフレ率を考慮した実質金利はマイナスで、通貨リラは年初から対ドルで4割超下落している。
エルバン氏は2020年11月、既に更迭されたタカ派のアーバル前中銀副総裁と同時に財務相として登壇し、穏健派とみられていた。