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ウクライナ、「併合」地域の要衝リマン奪還 ドネツク州

ウクライナのゼレンスキー大統領は2日、東部ドネツク州の要衝リマンをロシア軍から奪還したと表明した。リマンは東部ルガンスク州に近い交通の拠点で、同州の奪還にも前進となる。ロシアは9月30日にドネツク、ルガンスクをふくむウクライナ東・南部4州の「併合」を宣言したばかりで、プーチン政権に大きな打撃となる。

ゼレンスキー大統領はSNS(交流サイト)に動画を投稿し「リマンから完全に敵を排除した」と語った。1日のビデオ演説では東部の奪還地域が「1週間後にはさらに増える」とし、さらなる攻勢に意欲を示した。ロシア国防省も1日、ウクライナ軍の包囲を避けるため、リマンから部隊が撤退したと認めた。

リマンはドネツク州北部の都市で、ルガンスク州の要衝であるセベロドネツクやリシチャンスクにも近い。ロシア軍は7月初旬までに両都市を制圧し、ルガンスク州の支配を固めていたが、ウクライナ軍による奪還の動きが加速する可能性がある。

ロシア内部では政権や軍部への批判が強まりそうだ。英国防省は2日、リマンからの撤退は「大きな政治的な挫折を意味する」と分析。さらなる領土の損失は、政府への批判や軍部への圧力の高まりにつながるとした。

南部チェチェン共和国のカディロフ首長は1日、リマンの部隊に十分な弾薬や物資が届いていなかったとロシア軍司令部を批判。「国境地帯に戒厳令を敷き、小型核兵器を使用するなど、より踏み込んだ手段が必要だ」と主張した。

国際原子力機関(IAEA)は1日の声明で、グロッシ事務局長が近くウクライナの首都キーウとモスクワを訪問する予定だと発表した。ロシアが占拠し砲撃が相次ぐウクライナ南部のザポロジエ原発周辺に、安全区域を設けるために協議するという。

また、ザポロジエ原発のムラショフ所長がロシア軍によって拘束されたことについても、「原子力の安全にとって有害だ」と懸念を表明した。ウクライナの原子力企業エネルゴアトムは1日、ムラショフ氏がロシア軍に拘束されたと通信アプリで公表していた。

ロシア議会はウクライナ東・南部4州の「併合」に関する法律についての審議を3日から開始する。プーチン大統領が9月30日に併合に関する条約に調印、議会での批准や関連法案の採択を経て、週半ばにも手続きを終える。

プーチン氏は同日、ロシア下院に併合に関する関連法案を通告した。下院は3日からの本会議で法案審議などを進める予定だ。マトビエンコ上院議長は9月27日、10月4日にも上院で法案を審議すると語った。早ければ同日中にも上下院で関連法案が成立し、併合手続きが完了する見通しだ。

プーチン氏は30日にウクライナ4州(東部のルガンスク、ドネツク、南部のザポロジエ、ヘルソン各州)の一部を占領する親ロシア派勢力代表との間で編入の「条約」にモスクワで署名した。プーチン氏は演説で併合を正当化、「すべての手段を用いて(国土を)守る」と核兵器使用の可能性を改めて示唆した。

9月23~27日にロシア軍の統制の下に4州が実施した「住民投票」で、親ロ派はロシアへの併合賛成が87~99%を占めたと主張した。プーチン氏は演説で4州の住民が「明確な選択をした」とも指摘、賛成比率の高さを併合の根拠に挙げた。

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