コンテナ船最大手マースク、ロシア向け輸送を停止

【フランクフルト=深尾幸生】コンテナ海運最大手のAPモラー・マースク(デンマーク)は1日、ロシアを発着する全ての輸送を停止したと発表した。スイスの海運大手MSCやシンガポールのオーシャン・ネットワーク・エクスプレスも停止を決めており、航空に続いて海運も遮断され始めた。
マースクは「制裁措置によって我々の事業の安定性と安全性がすでに直接的、間接的に影響を受けている」としてロシア発着の海上、航空、鉄道で新規予約を停止した。食品や医薬品などの人道的な物資は引き続き予約を受け付ける。
すでに予約を受けた貨物は、引き続きロシアに運べるよう最大限努力するとしている。ただ、オランダやドイツなど欧州各国が制裁に触れる製品が含まれていないか調べているため、大幅な遅延が予想されるという。再開については状況を注視して判断する。
英国政府は2月28日にロシアと関係のある船の英国への入港禁止を発表した。航空貨物も欧州各国とロシアによる領空飛行禁止の応酬で、キャンセルや迂回を余儀なくされている。ロシアによるウクライナ侵攻の前から海運や航空貨物の需給は逼迫しており、サプライチェーン(供給網)の緊張がさらに高まることは避けられない。

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