ロシア軍、東部2州・クリミア回廊を優先 戦力消耗か

【フランクフルト=林英樹】ウクライナ軍参謀本部は1日、ロシア軍が一方的に併合を宣言した東部ドネツク州・ルガンスク州とクリミア半島につながる陸上回廊の維持を優先しているとの分析を公表した。ロシア領内からのミサイル攻撃に加え、北部では国境侵犯の挑発行為を続けており、「激しい戦闘が行われている東部へのウクライナ軍の部隊増強を妨げる狙いがある」と指摘した。
南部の要衝ヘルソンを失ったロシア軍はドネツク州の要衝バフムトに兵力を割いているが、目立った戦果は上げていない。米シンクタンクの戦争研究所は11月30日、「半年間で数キロメートルの地域しか制圧できておらず、ロシア軍は消耗している」と分析した。
ロシア軍はバフムトで兵士や装備の大部分を消費しており、「結果として他地域でウクライナ軍の反転攻勢を助長する可能性がある」とみている。
ウクライナ大統領府とロシア国防省は1日、50人の捕虜を交換したと発表した。ドネツクやルガンスクのほか、南東部マリウポリの戦闘で捕虜になった兵士が含まれていたという。ウクライナのイェルマーク大統領府長官は「最後のウクライナ人が解放されるまで捕虜交換を続ける」と語った。
一方、ウクライナの国営電力会社ウクルエネルゴは1日、欧州復興開発銀行(EBRD)から3億ユーロ(約430億円)の融資を受けると発表した。ロシアのミサイル攻撃でエネルギー関連施設に大きな被害が出ており、全国的に停電状態が続いている。
氷点下まで気温が下がる冬場を迎え、世界保健機関(WHO)は「数百万人が生命の危機にさらされる」と警鐘を鳴らす。ウクルエネルゴは融資の一部を使い、変電所などエネルギー関連施設の復旧を進めるとしている。

2022年2月にロシアによるウクライナへの軍事侵攻が始まって1年になります。戦況や世界各国の動き、マーケット・ビジネスへの影響など、関連する最新ニュースと解説をまとめました。
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