/

北朝鮮から外交官ら大量脱出 「深刻な物資欠乏」で 

ロシア大使館がSNSで明らかに

北朝鮮の窮乏は新型コロナウイルスの影響で深まっているもようだ(3月23日、平壌で大規模な住宅建設について演説する金正恩総書記)=ロイター

【モスクワ=石川陽平】在北朝鮮のロシア大使館は1日、平壌に駐在する各国の外交官や国際的な人道組織の職員が大量に国外に脱出していると明らかにした。新型コロナウイルスの感染拡大に対応したとみられる「前例のない厳しい全面的な制限措置」が導入され、医薬品など深刻な物資欠乏も起きていると指摘した。

「皆さんに家路の無事をお祈りします!」。在北朝鮮のロシア大使館は同日、SNS(交流サイト)のフェイスブック上に、こう題した書き込みをした。平壌を脱出したロシア人を含む38人が北朝鮮との国境に近い中国の都市にあるホテルで2週間の隔離を終え、北京や上海経由で母国に戻るという。

ロシア大使館は、同国以外の国々の外交官らも大量に北朝鮮を脱出しているとして、「英国、ベネズエラ、ブラジル、ドイツ、イタリア、ナイジェリア、パキスタン、ポーランド、チェコ、スウェーデン、スイス、フランスの代表部の建物に鍵がかけられた」と述べた。国際人道組織の外国人職員も全員が国外に出た。

平壌では中国やロシア、キューバなど9カ国の大使が残って業務を続けているが、こうした大使館の人員も最小限に減っていると指摘した。北朝鮮に滞在する外国人の総数も290人未満に減っているという。医薬品を含む物資の欠乏で「健康問題を解決する可能性がない」と窮状を訴えた。

ロシア通信は同日、北朝鮮の物資欠乏について「新型コロナの影響が出ている」との専門家の見方を伝えた。インタファクス通信によると、ロシア下院国際問題委員会のノビコフ第1副委員長は同日、新型コロナの感染が広がっている時期に北朝鮮に対して国際的な制裁が科されているのは「とんでもないことだ」と述べ、制裁も物資欠乏の一因になっているとの見方を示唆した。

中国と北朝鮮は新型コロナウイルスの影響でほぼ全面的に停止している貿易を4月中にも再開する方向で調整に入った。中朝貿易の停滞が物資の不足に拍車をかけていた可能性もある。ただ、ノビコフ氏は「難しい条件下でも耐え抜く北朝鮮の能力を過小評価すべきではない」と指摘し、金正恩(キム・ジョンウン)体制の動揺につながるとの見方は否定した。

すべての記事が読み放題
有料会員が初回1カ月無料

関連トピック

トピックをフォローすると、新着情報のチェックやまとめ読みがしやすくなります。

セレクション

トレンドウオッチ

新着

注目

ビジネス

暮らし

新着

注目

ビジネス

暮らし

新着

注目

ビジネス

暮らし

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
新規会員登録ログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
新規会員登録 (無料)ログイン