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トルコリラが急回復 金融政策、現実路線へ転換か

11月の最安値から2割高

2020年11月に就任したアーバル中銀総裁(16年9月、アンカラ)=ロイター

【イスタンブール=木寺もも子】有力な新興国の一つであるトルコの通貨リラの対ドル相場が急回復してきた。2日には一時、1ドル=7.0リラ台に達し、2020年11月に記録した過去最安値から2割高となった。中央銀行が総裁交代を機に引き締め策に転じたためだ。景気浮揚のため中銀に利下げ圧力をかけていたエルドアン大統領も、中銀の現実路線を足元では容認しているもようだ。

リラは20年の年初から11月上旬まで3割下落。それが反転したきっかけは、その直後に起きた当時のアルバイラク財務相とウイサル中銀総裁の退任だ。アルバイラク氏はエルドアン氏の娘婿で、同氏の意向をウイサル氏に伝えていたとみられている。

新たに就任した中銀のアーバル総裁はインフレ率の引き下げを優先課題に掲げ、引き締めへの転換姿勢を鮮明にした。主要な政策金利である1週間物レポは現状、年17%で、アーバル氏の就任以来、計6.75%引き上げられた。

中銀はインフレ率を23年までに年5%へ引き下げる計画で、アーバル氏はエルドアン政権あての1日付の公開書簡で「それまでは引き締め策を断固として維持すべきだ」と明言した。

前中銀総裁のウイサル氏はリラ安局面でも景気優先の緩和姿勢を維持し、一時は政策金利がインフレ率を下回った。リラには強い押し下げ圧力がかかったが、中銀は間接的なリラ買いの市場介入に踏み切った。20年11月時点で外貨準備は前年の同時期に比べて半減し、市場ではトルコ経済全体の先行きに関する不安が強まっていた。

今後の注目点は、中銀がどこまで独立性を維持できるかだ。低金利政策はエルドアン氏自身の考えに基づく。同氏は1日にも金利を下げるべきだとの持論を繰り返した。大統領選は23年までに実行される予定で、その前に景気が上向かなければ、エルドアン氏から中銀への利下げ圧力が再び高まる可能性はある。

中銀に勤めた経験のある有力エコノミストのウール・ギュルセス氏は「ようやくリラ安に歯止めがかかった状況で、為替相場が安定したとみるのは早計だ」と話す。

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