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ユーロ圏物価上昇率2%に エネルギー価格が押し上げ

【ベルリン=石川潤】欧州連合(EU)統計局は1日、5月のユーロ圏の消費者物価上昇率が速報値で前年同月比2.0%になったと発表した。4月の同1.6%から上げ幅を広げた。エネルギー価格の上昇が全体を押し上げ、欧州中央銀行(ECB)が目指す2%に表面上、到達したことになる。ECBは今のところ「物価上昇は一時的」とみており、金融緩和を続ける構えを崩していない。

全体をけん引したのは、前年同月比で13.1%上昇したエネルギー価格だ。価格変動の大きい食品、エネルギーなどを除いたコア指数は同0.9%上昇にとどまった。各国でロックダウン(都市封鎖)の緩和が進むなか、サービス価格を中心に上昇基調に転じ、物価上昇圧力がさらに強まっていくかが今後の焦点となる。

国別ではドイツが2.4%、フランスが1.8%、イタリアが1.3%上昇した。ルクセンブルクで4.0%上昇したほか、オーストリアなどの上昇率も3%に達した。一方で、ギリシャで1.1%下落、ポルトガルが0.5%上昇にとどまるなど、国ごとの差も広がっている。

ドイツの付加価値減税終了の影響が出る2021年後半には、ユーロ圏の物価上昇率は一段と上昇する可能性が高い。EUの欧州委員会の春の経済見通しによると、物価上昇率は21年後半に2%を超える見込みだ。

ECBはエネルギー価格やドイツの付加価値減税終了などの影響は一時的で、22年以降は物価上昇率が再び1%台に低下するとみている。ユーロ圏の域内総生産(GDP)が危機前の水準に戻るのは22年になる見込みで、物価上昇が勢いづく米国と比べて経済状況は盤石とはいえない。物価が持続的に2%上昇を続けられるようになるのは、まだ先との見方が根強い。

ただ、実際の物価の動きには読みにくい部分が多い。ECBは10日開く理事会で物価上昇が本当に一時的に終わるのか、上昇圧力がひそかに高まっていることはないのか慎重に点検し、新たな経済・物価見通しを公表する。最新の見通しをもとに、当面の金融政策方針について改めて議論する。

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