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ロシア国債が急落 欧米制裁、深まる債務不履行の懸念

(更新)

【ロンドン=篠崎健太】2月28日の欧州債券市場でロシア国債の価格が急落した。ウクライナに軍事侵攻したロシアに対して欧米諸国が空前の大規模制裁に着手し、経済や事業活動の混乱で債務返済能力に懸念が深まっているためだ。豊かな資源の輸出で蓄積されていた外貨準備の信用力にも頼れなくなり、金融市場は債務不履行(デフォルト)のリスクを織り込み始めた。

金融情報会社リフィニティブによると2047年償還のロシアのドル建て国債は価値が一日で半値以下に暴落し、利回りは18%と前週末の8%から跳ね上がった。外国為替市場ではルーブルが対ドルで史上最安値を更新した。ロシア中央銀行は通貨防衛のため政策金利を2倍強の年20%へ大胆な引き上げを迫られ、マネー引き揚げの影響は早くも顕在化している。

市場が警戒するのは世界経済からの締め出しによるドル資金の枯渇だ。

世界の大手金融機関でつくる国際金融協会(IIF)は2月28日公表の報告書で「ドルへの広範なアクセス制限が金融機関と企業を困難な状況に追いやる可能性が高い」と指摘した。IIFによるとロシアの対外債務4800億ドル(約55兆円)のうち、3割弱にあたる1350億ドルは1年以内に満期がくる。

世界経済からの切り離しを狙う欧米諸国の制裁で、金融機関や企業は外貨獲得能力を著しくそがれることになった。IIF幹部はロシアが対外的な債務不履行に陥る可能性は「極めて高い」との認識を示した。

今回の対ロ制裁が異質なのは網の目が中銀の資産にまで及び、対外的信用を支えてきた外貨準備の蓄積にも頼れなくなったことにある。外貨準備高は1月末時点で約6300億ドルを確保していたが、米シティグループは「大部分が凍結対象になる」とし、制裁の縛りを免れるのは金と中国人民元の総額2900億ドル程度にとどまると分析する。

債務不履行のリスクをやり取りするクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)市場では、ロシア国債の保証料率が急上昇している。英IHSマークイットによると5年物では2月28日時点で14%強と、制裁の大幅強化前だった2月25日(約5%)の3倍近くに跳ね上がった。

ロシア国債のCDSでは保証料率の前払いが求められるなど、債務不履行リスクの高まりを背景に取引条件が厳しくなっている。米ブルームバーグ通信によると1000万ドルを対象とする保証を受けるには400万ドルの前払いが必要とされ、6割弱のデフォルト確率を示唆する取引が形成されているという。

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ロシアがウクライナに侵攻しました。NATO加盟をめざすウクライナに対し、ロシアはかねて軍事圧力を強めていました。米欧や日本は相次いでロシアへの制裁に動いています。最新ニュースと解説をまとめました。

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