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米就業者23.5万人増どまり 8月、デルタ型拡大響く 

(更新)
人手が足りない雇用主は依然として多い(8月、カリフォルニア州)=AP

【ワシントン=鳳山太成】米労働省が3日発表した8月の雇用統計(速報値、季節調整済み)によると、景気動向を敏感に映す非農業部門の就業者数は23万5000人増にとどまった。新型コロナウイルスのインド型(デルタ型)の拡大の影響で、市場予想(72万人程度)を大幅に下回った。米連邦準備理事会(FRB)は年内の量的緩和縮小(テーパリング)をにらみ回復力を見極める。

景気回復への懸念で米株式市場では3日朝、ダウ工業株30種平均の下落幅が一時140ドルを超えた。一方、「テーパリングの議論が遅れる」との見方から、外国為替市場ではドルが売られる場面があった。米10年物国債利回りは一時前日比0.02%低い1.26%に低下した。

就業者数の増加幅は、上方修正された前月(105万人)から大幅に縮小した。特に経済活動の再開で改善してきたサービス業の回復が足踏みが鮮明だ。娯楽・接客業の就業者は半年で月平均35万人増えてきたが、8月は変わらなかった。このうち飲食店は4万2000人減少した。

FRBは9月21~22日、米連邦公開市場委員会(FOMC)を開く。パウエル議長は8月下旬の講演で、米国債など資産の購入を減らすテーパリングについて年内の開始が適当だと言明した。インフレ環境はテーパリング着手の条件が整ったとし、あとは雇用情勢を見極める構えだ。

FOMCは年内に9月、11月、12月と3回予定されており、テーパリングの決定時期が目下の焦点だ。FRBが開始を判断する条件として「85万~100万人増の雇用統計が出れば、雇用の著しい進展があったといえる」(ウォラーFRB理事)との声も出ていたため、シナリオに狂いが生じる可能性はある。

デルタ型の猛威が続けば個人消費が冷え込み、雇用回復を遅らせる。8月の消費者信頼感指数は2月以来、6カ月ぶりの低水準になった。感染を避けるために職場復帰を遅らせたり、一時休校で親が仕事に出られなくなったりする事態がありうる。グーグルは出社再開の時期を10月から22年1月に延期した。

ただ雇用増の鈍化が続くかの判断は難しい。6、7月の就業者数の増加幅はあわせて約13万人上方修正された。企業の採用時期が平時と変わっており、統計の季節調整の不備を指摘する声も出ている。失業率は5.2%と前月から0.2ポイント改善した。

これまで企業側は働き手を見つけるのに苦労してきた。例えば6月の雇用動態調査によると、求人は1007万件と4カ月連続で過去最多を更新したが、採用は671万件にとどまった。コロナ禍で条件がいい仕事に移ったり、職場に戻らずに失業給付を受け取り続けたりする人も多い。

労働市場の需給が逼迫し、雇用者の増加は緩やかなペースで推移してきた。8月の就業者数はコロナ禍が本格化する前の2020年2月に比べて530万人少なく、回復はなお途上だ。

人手不足が改善する要素はある。連邦政府が失業給付に週300ドル(約3万3千円)上乗せする特別加算は9月4日に期限切れとなる。自宅で待機していた人が働きに出る動機になる。8月から新学期が順次始まり、子供を持つ親は職場に戻りやすくなった。

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