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NYダウ月間2%高、3カ月ぶり上昇 債券からシフト

【ニューヨーク=大島有美子】31日の米株式市場でダウ工業株30種平均は前日比550ドル(2%)安の3万4678ドルで終えた。3月の月間では前月比785ドル(2%)高と、3カ月ぶりのプラスとなった。ロシアによるウクライナ侵攻で不確実性が高まるなか、インフレや利上げへの警戒から債券を売ったマネーが株式に流入した。

主要株価指数はそろって3カ月ぶりのプラスとなった。多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数は4%、ハイテク株の比率が大きいナスダック総合株価指数は3%上昇した。ただ、1~3月で見るとダウ平均は5%下げ、四半期の下落率では新型コロナウイルス下に入った20年1~3月(23%)以来の大きさとなった。

米連邦準備理事会(FRB)による利上げを見越した米長期金利の上昇やロシアによるウクライナ侵攻を受け、3月前半まではリスク資産からのマネー退避が進んだ。金利上昇で割高感が強まった高PER(株価収益率)のハイテク株の下げが目立っていた。

FRBは3月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げを開始した。インフレに対処するため利上げを加速する姿勢を示し、その後も金利は上昇した。米10年物国債利回りは31日時点で2.3%台となり、月間で約0.5ポイント上昇した。

株式売りが進んだ2月までと異なり3月は後半にかけて株が買われた。特に1~2月に売られた大手IT(情報技術)銘柄の買い戻しが目立ち、3月は米アップルが6%、電気自動車のテスラは24%、メタ(旧フェイスブック)は5%それぞれ上昇した。

株高に転じた背景には債券からのマネー流入がある。JPモルガンのストラテジスト、ニコラオス・パニギリツオグル氏らは30日付のリポートで、世界の投資家による資産配分で債券が占める割合が直近で18%と、2008年以降で最も低い水準となったと分析した。「個人投資家が債券から株式ファンドに資金を移していることが、債券の組み入れが減っている大きな要因となっている」という。

ゴールドマン・サックスのストラテジスト、ピーター・オッペンハイマー氏は株価が堅調な背景として、物価上昇率を加味した実質金利がマイナス圏にあることに着目する。「投資家は実質的なリターンを確保するため、(国債などの)名目資産を避けている」とみる。米企業の財務状況は健全で、投資家が配当の持続を期待できていることも理由に挙げた。

ウクライナ侵攻が長期化の様相を呈するなか、原油や銅、小麦など国際商品(コモディティー)価格も幅広く上昇した。米原油先物は31日時点で1バレル100ドル台と月間で5%ほど上昇した。金先物価格も同2%上昇した。

今後の株価上昇については小幅に抑えられるとの見方が多い。JPモルガンのパニギリツオグル氏は過去の経験則に照らし「リーマン・ショックのような危機的な状況を除けば、債券ファンドからの大幅な資金流出が3カ月以上続くことはない」と指摘する。ゴールドマンは22年末のS&P500予想を現状より約4%高の4700に置く。

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