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米投票制限法案めぐり激戦州で攻防 テキサスなど

投票制限法案に反対する有権者(5月、米テキサス州オースティン)=ロイター

【ニューヨーク=大島有美子】米国の多くの州議会で議論されている投票制限法案を巡り、推進派の共和党と反対派の民主党による攻防が激しくなっている。共和党地盤の南部テキサス州では民主党議員が5月30日に議会の審議を中断させて成立を阻止したが、共和党のアボット知事は特別議会を招集して成立を目指す構え。多くの投票制限法案は有色人種を投票から遠ざけることになるため、民主主義の地盤を揺るがす問題として有権者の分断を深めている。

テキサス州の投票制限法案では、郵便投票の投票用紙の請求に運転免許証の番号もしくは社会保障番号の下4桁を記入する必要があるほか、一部地域で実施されていたドライブスルーによる投票や、24時間いつでも投票できる期日前投票を禁じる。接客業などに従事し投票に行く時間が確保しにくい有色人種が多く利用していた投票手段を制限するとして、黒人の支持層が厚い民主党が反対していた。

同法案は30日には州上院を通過し、同日に下院を通過予定だった。民主党議員が議場を退席して法案の審議を中断させ、成立を阻止した。既に採決期限を迎えたが、共和党のアボット州知事は「必ず通過させなければならない。特別議会の(審議)項目に加えられるだろう」とツイッターに投稿、成立に向けて強硬手段を辞さない構えだ。

バイデン米大統領は同29日に声明を出し、テキサス州の法案は「民主主義への攻撃であり、今年はこうした動きがありすぎる。間違っており、米国的ではない」と批判した。

米シンクタンクのブレナン・センターの集計によると、同様の制限法案は全米50州のうち48州で提出されている。1月1日から5月14日までに14の州で、何らかの形で投票行動を制限する法律が制定された。

先んじて法律を制定したのは南部ジョージア州や、5月に選挙法を改めたフロリダ州など、激戦州が中心だ。ジョージア州では、2020年の大統領選でバイデン氏がトランプ前大統領を僅差で下したものの、1996~2016年は共和党候補が制してきた。

20年の大統領選では新型コロナウイルス下で郵便投票や期日前投票などの規制緩和が進み、人種的マイノリティー(少数派)が投票しやすくなり、民主党の勝利に結びついたとの見方がある。22年の中間選挙や24年の大統領選で地盤を守ろうとする共和党と、有色人種の支持層を狙い撃ちにされたと主張する民主党の溝は深まる一方だ。

米企業も、ステークホルダーである消費者や従業員の声を受け無関心ではいられなくなっている。5月にはマイクロソフトやHPなど50超の企業・団体が共同で書簡を出し、テキサス州の投票制限法に反対した。米製薬大手メルクのケネス・フレージャー最高経営責任者(CEO)など黒人の企業経営者も抗議を表明している。

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