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「移動」に注目、自動運転や宇宙も 逆風下のCES開幕

世界最大のテクノロジー見本市「CES」が3日に開幕した。2年ぶりに米ラスベガスの見本市会場で開く今回は自動運転などに関連する企業の参加が増え、宇宙関連の企業を集めた展示エリアも設ける。一般公開は5日に始まる。一方、新型コロナウイルスの影響により直前に出展を取りやめる企業も相次ぎ、逆風下でテクノロジーの新たな方向性を探る形となる。

「CESはすべてのテクノロジー企業、そしてテクノロジーを活用して自社の立ち位置を変更する企業のための場となる」。主催団体、米民生技術協会(CTA)で上級副社長を務めるジーン・フォスター氏はこのほど取材に応じ、CESの意義を強調した。

CESは1967年に家電の展示会として始まり規模を拡大してきたが、2021年は新型コロナの影響を受けて会場での開催を断念した。再始動の年に当たる22年に方向性として強く打ち出したのが、これまでの情報の送受信を加速したデジタル家電やIT(情報技術)機器に加え、「移動」の概念を広げて取り込むことだ。

「情報の流れ(の変化)こそがインターネットの本質」。ネットの生みの親として知られるビントン・サーフ氏がこう語ったのは11年のことだ。それから10年にわたり情報の移動手段の進化がテクノロジー業界の大きなテーマとなり、臨場感の高い仮想空間「メタバース」などがこの流れをくむ。

一方、ネットの発達を背景とする技術の進化やリスクマネーの増加が、新たな潮流を生んだ。ひとつは人や荷物の移動におけるテクノロジーの活用だ。今回のCESでは自動運転をはじめとするモビリティー関連の出展企業は20年より3割多い約200社まで増え、過去最高を更新した。7日には自動運転車のレースを催す。

「宇宙」関連のエリアも新設

宇宙関連の企業を集めたエリアも新設し、宇宙ステーションの開発を進めている米シエラ・スペースなどが出展する。同社は米アマゾン・ドット・コムのジェフ・ベゾス会長が設立した米ブルーオリジンと提携している。さらに価値の移動が新たなテーマとして注目を浴びており、暗号資産(仮想通貨)などに特化した展示エリアを設ける。

ただ、足元では大型見本市への逆風が続いている。今回のCESは新型コロナの感染対策として厳しい渡航制限を続けている中国などからの出展見送りが相次いだことが響き、出展企業は20年の半数弱に当たる約2200社へと減少している。

また21年12月下旬には新型コロナの変異型「オミクロン型」の感染拡大を受けてアマゾンや米グーグルなどが相次いで出展の見送りを表明した。米アボット・ラボラトリーズのロバート・フォード最高経営責任者(CEO)が製薬会社のトップとして初めて基調講演する一方、米Tモバイルは講演を見送った。

CTAのゲイリー・シャピロCEOは3日、「出展を取りやめた企業は全体の10%未満」と説明し、一部の大手企業が出展などを見送った影響は軽微との考えを示した。会場で開催することが中堅・中小企業への関心を高めるために重要と強調し、新型コロナワクチンの接種義務化や検査キットの配布などにより大型見本市の新たな形を提示したい意向を示した。

新型コロナの影響が続くなか知名度が高い大手企業はオンラインで製品発表会などを開く動きを強め、見本市への依存度が下がったとの指摘もある。CTAのフォスター上級副社長は「CESには小売り大手のバイヤーが集まるなど企業が開くオンラインイベントにはない価値がある」と主張するが、大型見本市の転機となる可能性もある。

(ラスベガス=奥平和行)

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