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Amazon、「カーン委員長外し」を嘆願 FTC独禁調査で

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【シリコンバレー=白石武志】米アマゾン・ドット・コムが米連邦取引委員会(FTC)に対し、同社批判の急先鋒(せんぽう)として知られるリナ・カーン委員長を同社に関連する反トラスト法(独占禁止法)調査などから除外するよう求める嘆願書を提出したことが30日、明らかになった。米巨大IT(情報技術)への規制強化に向けたバイデン米政権の人事に、「結論ありきだ」として待ったをかけた。

カーン氏は法学者で、アマゾンの競争法上の脅威について警鐘を鳴らした論文で注目を集めた。デジタル経済圏で影響力を増す米巨大ITの独占や寡占に目を光らせるバイデン米大統領によって抜てきされ、6月に史上最年少の32歳でFTCの委員長に就任した経緯がある。

アマゾンは30日付でFTCに出した嘆願書の中で、カーン氏について「アマゾンは反トラスト法違反の罪を犯しており、解体されるべきだと何度も主張してきた」と指摘。「合理的な観察者なら、彼女がもはやアマゾンの反トラスト法上の抗弁を素直に検討することはできないと結論付けるだろう」と述べている。

米国では利害対立などの理由で裁判官や検察官らを法執行への関与から除外するよう求めることができる制度がある。アマゾンの広報担当者は30日、「大企業であっても公平な調査を受ける権利がある」と述べ、確立された法律の下ではカーン氏はアマゾンに関する調査に参加できないと主張した。FTC側のコメントは得られていない。

カーン氏はエール大法科大学院の学生だった2017年に27歳で発表した「アマゾンの反トラスト・パラドックス」と題する論文で注目を集めた。消費者価格に焦点を当てる従来の反トラスト法の枠組みでは、アマゾンの市場支配力が社会全体に与える悪影響を捉えることができないと明らかにする内容だ。

FTCは米巨大ITに対する調査の一環として、アマゾンについても反トラスト法違反がないかどうかの調査を進めている。一部の米議員はアマゾンが5月に発表した米映画製作大手メトロ・ゴールドウィン・メイヤー(MGM)の買収についても競争環境に与える影響をFTCなどに審査するよう求めている。

FTCが米フェイスブックを反トラスト法違反の疑いで訴えていた訴訟でも、米首都ワシントンの連邦地裁は28日、SNS(交流サイト)市場で支配的なシェアを持つという十分な証拠を示していないなどとしてFTCの訴状を棄却したばかり。数多くの弁護士を抱え、法廷戦術にもたけた米巨大ITの独禁当局への「反撃」が本格化する可能性がある。

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