米消費者信頼感指数4カ月ぶり上昇 8月、インフレ鈍化

【ニューヨーク=伴百江】米調査会社コンファレンス・ボードが30日発表した8月の米消費者信頼感指数は前月の改定値から7.9ポイント上昇し103.2となった。4カ月ぶりの上昇で、市場予想平均(97.4)も大幅に上回った。ガソリン価格の下落などを中心に物価上昇ペースが落ち着いてきたことが消費者心理の向上につながった。
消費者信頼感指数は米国の個人消費の先行指数とされ、1985年を100として算出している。同指数は今年5月以降、3カ月連続で下落していた。

指数の内訳は、消費者の現在のビジネスや労働市場の心理を示す「現況指数」は前月の139.7から145.4と、3月以来の前月比上昇となった。所得、ビジネス、労働市場の短期的見通しを示す「期待指数」は、9年ぶりの低水準となった7月の65.6から75.1に上昇した。
8月の指数が大幅に改善したのは、物価指標が7月に低下したことが背景にある。7月の米消費者物価指数は前年同月比8.5%上昇と6月の9.1%から鈍化した。これを受け、消費者の間では旅行などへの消費意欲が回復した。
コンファレンス・ボードのシニア・ディレクター、リン・フランコ氏は「8月の信頼感指数向上は消費者の購買意欲の拡大につながるが、インフレは依然として高水準が続いており、追加の利上げが短期的には景気拡大の足かせになる」とみている。
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