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米、ワクチン接種「完了」1億人に  ペースは減速

(更新)
米国では1億人がワクチン接種を完了する=AP

【ニューヨーク=山内菜穂子】米国で新型コロナウイルスのワクチン接種を完了した人が1億人を超える。これまでに18歳以上の米人口の4割弱が完全に接種を終えた。ただ足元では接種ペースが減速しており、「集団免疫」獲得に向けて接種割合をさらに高めようと各州が様々な対策を打ち出し始めた。

米疾病対策センター(CDC)によると29日時点でワクチン接種を完全に終えた人は約9966万人に達した。少なくとも1回接種した人は1億4379万人に上る。バイデン大統領は1月末の就任時に4月末までの1億回の接種を目標に掲げたが、予想を上回るペースで接種が進み、21日には2億回に達したと発表した。

ただ足元では接種ペースの減速が鮮明になっている。29日の接種回数(7日移動平均)は約263万回と、ピークだった4月13日に比べて2割減った。実数でみても4月上旬には1日462万回に達したが、最近は200万回を割り込む日も出てきた。

接種ペースが鈍る背景には、積極的にワクチン接種を希望する人の接種が一巡したことがある。連邦政府や各州は接種が始まった昨年12月以降、野球場などを活用し大規模な接種会場を設け、大量の希望者に接種できる態勢を整えた。いま課題となっているのが、ワクチン接種に消極的な「拒否層」だ。

米カイザー・ファミリー財団(KFF)の3月の調査では、接種に前向きな人(接種済みを含む)が61%を占めた一方、接種に後ろ向きな人は37%に上った。このうち「様子見する」と答えた人は17%、「絶対に接種しない」と答えた人は13%だった。「様子見する」の割合は昨年12月の調査と比べて22ポイント減となったものの、「絶対に接種しない」はほとんど変わらなかった。

2回目の接種を受けない人への対応も課題になっている。米国立アレルギー感染症研究所のファウチ所長は30日、2回の接種が必要な米ファイザーや米モデルナ製のワクチンを接種した人のうち、約8%が2回目を受けなかったことを明らかにした。2回目の接種を避けるのは、ワクチンの副作用への懸念や多忙などが主な理由とみられている。ファウチ氏は2回目の投与を確実に受けるように呼びかけた。

ウイルスの流行が収まる集団免疫の獲得には、全人口の7割以上の完全な接種が必要とされる。現在4割弱となる接種完了の割合をさらに高めるには、接種に後ろ向きな人の翻意が重要になる。このため各州はよりターゲットを絞った対策を打ち出し始めた。

コネティカット州ではワクチン接種完了で飲み物が無料になるキャンペーンを始める=AP

東部ウェストバージニア州は26日、ワクチンを接種する16歳から35歳を対象に100ドル(約1万900円)の貯蓄債券を進呈すると発表した。ワクチンの接種をためらう若者が多いことに着目した施策だ。東部コネティカット州は5月19日から、ワクチンの接種を完了すると飲食店で飲み物が無料になるキャンペーンを始める。中西部ミシガン州デトロイト市は、住民が隣人を接種会場まで送迎すると1回の接種につき50ドルを支給すると発表した。

一部の企業はワクチン接種を後押しする。クリスピー・クリーム・ドーナツは接種が済んだことを示した顧客にドーナツを無料で贈るほか、アンハイザー・ブッシュはビールを無料で配る。配車サービスのウーバーテクノロジーズやリフトは接種会場までの交通手段がない人向けに、無料で乗車できるサービスを提供する。 

バイデン氏も21日、ワクチン接種や副作用に伴う有給休暇を設けるように企業に呼びかけた。従業員がワクチンを受けやすい環境を整えるために、中小企業への税制支援も打ち出している。

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