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米ディズニーランド13カ月ぶり再開 レジャー復活期待

(更新)

米国でレジャー産業が復活し始めた。新型コロナウイルスの影響で閉園していたカリフォルニア州アナハイムのディズニーランドは30日、13か月ぶりに再開した。クルーズ船各社は7月の運航再開をめざす。営業規制が続いたレジャーの復活は、行楽シーズンを迎える米経済の回復を後押しする。

「2週間程度の休業だと思っていたら1年以上。ワクチンを打って今日に備えたのよ」。30日、ティファニー・ムンロさん(37)は夫とともにディズニーランドのゲートをくぐった。一般客を迎えるのは、2020年3月に一時閉園して以来だ。お気に入りのディズニーグッズを身につけたファンたちが早朝から続々と訪れ、再開を祝った。

南部フロリダ州に次いでテーマパークが集積するカリフォルニアでは4月に入り、関連施設の再開が広がる。4月15日にレゴランド、16日にはユニバーサル・スタジオ・ハリウッドが一般客向けに門を開いた。

人数制限は伴うものの、アナハイムにあるホテルの支配人は「100人あまりの従業員をようやく呼び戻せた」と胸をなでおろす。調査会社STRによると、米国内のホテルの稼働率はコロナ禍に入り一時2割まで落ち込んだが、4月下旬には6割の水準まで回復した。

全米でも厳しいコロナ規制で知られた同州で相次ぐテーマパークの再開は、ワクチン接種の着実な広がりを示す。米疾病対策センター(CDC)によれば、ワクチンを少なくとも1回接種した人数は30日までに1億4489万人に達した。全人口の43%にあたる。

レジャー復活の兆しは空港の利用状況にも表れる。米運輸保安局(TSA)によると、米国内空港の保安検査所の通過人数は4月下旬に、2019年の同時期と比べて5〜6割の水準に戻った。企業の出張利用の回復は鈍いが「国内の観光目的の予約は19年比85%まで戻っている」(デルタ航空幹部)。

デルタの調査によると、5月末までに顧客の75%がワクチンを接種する見通しだ。ただ国境制限は解除されておらず、国際線利用のハードルは依然高い。航空各社は夏の米国内の観光需要に照準を絞る。アメリカン航空は夏の旅客収容量の85%を国内線に振り向け、ユナイテッド航空もレジャー回復を受けて「春と夏のスケジュールを調整した」(幹部)という。

クルーズ旅行、7月中旬再開も

コロナの初期に感染まん延の舞台となったクルーズ船でも、旅客運航便の再開に向けて官民の協議が進む。CDCは30日までに関係各社に対し、乗組員や乗客のワクチン接種を証明できれば再開手続きを簡素化する方針を伝えた。米大手ロイヤル・カリビアン・グループのリチャード・フェイン最高経営責任者(CEO)は「7月中旬には再びクルーズを始められると期待している」と話す。

ただ、コロナ禍の1年は人々の余暇の楽しみ方自体を変化させた可能性もある。米国の大都市では3月から映画館の再開が進んだが、4月の興行収入は19年の水準と比べて約2割にとどまった。「ゴジラvsコング」などヒット作はあるものの、インターネットで並行して配信する動きが広がり、週末でも人出のまばらな映画館が目立つ。

映画「ノマドランド」でプロデューサーを務めた主演女優のフランシス・マクドーマンド氏は4月25日のアカデミー賞受賞時に「できるだけ大きなスクリーンで私たちの映画を見てほしい」と訴えた。レジャーが復活を果たしても、コロナ前と同じ姿に戻るとは限らない。(アナハイム=佐藤浩実、ニューヨーク=大島有美子)

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