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バイデン氏、感染再拡大に危機感 22年中間選挙にらみ

29日、ホワイトハウスで記者団と話すバイデン米大統領=AP

【ワシントン=永沢毅】バイデン米大統領は29日、新型コロナウイルスのワクチン接種加速を柱とした感染防止の追加対策をまとめた。インド型(デルタ型)の変異ウイルスによる感染再拡大で対応を余儀なくされた形で、政権の危機感を映す。規制の再強化を迫られれば経済回復への打撃は不可避で、2022年の中間選挙にも影を落としかねない。

「これは赤い州か青い州かの問題じゃない。文字通り生死に関わることだ」。バイデン氏は記者会見でこう力説した。民主党が強い「青い州」はワクチン接種率が高く、共和党支持の「赤い州」では接種を敬遠する割合が多い現状を踏まえた発言だ。

数字は明確だ。米疾病対策センター(CDC)などによると、接種を完了した人の割合は、全米50州と首都ワシントンのうち上位20を2020年米大統領選で民主党のバイデン氏が勝利した州が独占した。下位20州は2つを除き、共和党のトランプ前大統領が制した州だった。

7月4日の独立記念日にバイデン氏は「自信を込めて言おう。米国は戻ってきた」と述べ、新型コロナ克服に道筋をつけたと宣言したばかりだった。その翌日から感染者数はほぼ拡大の一途をたどり、様相は一変した。

調査会社ギャラップによると、バイデン氏の7月の支持率は50%で、6月から6ポイント下がり、発足以来で最低となった。調査は再拡大が鮮明になった7月6~21日に実施した。

29日に明かされた対策は、新たに接種をした人への100ドル給付、連邦政府職員への接種要請が柱だ。接種を終えていない職員には定期的な検査やマスク常時着用などを義務づける。CDCの指針は接種済みの人について、感染拡大地域を除き原則としてマスクが不要としていただけに、後退感は否めない。

首都ワシントンや近隣の南部バージニア州では室内でのマスク着用義務を復活させた。レストランの営業規制など一段の対応を迫られれば、回復基調の経済再生に水を差すことも考えられる。

有権者は雇用や人種問題よりも、新型コロナ対策を政策の最優先課題に位置づけており、その成否は中間選挙にも影響する可能性はある。

「多くの課題があるが、バイデン政権はもっぱらコロナ対策の巧拙で審判を受ける」。南フロリダ大のジョシュア・スキャッコ准教授はこう分析する。同大学の調査では南部フロリダ州で、新型コロナ対策を最優先課題とする人の割合は61.3%と最多を占める。

「もし接種していなければ、あなたや家族、職場の人たちに迷惑をかける」。バイデン氏はこう強調した。ただ、共和党支持層の多くは接種強制を嫌悪する。同氏の言い回しは社会の分断をさらに深めかねない。

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