米ディズニー、マーベル会長を解雇 物言う株主に肩入れ

【シリコンバレー=佐藤浩実】米ウォルト・ディズニーが子会社のマーベル・エンターテインメントで会長を務めていたアイザック・パルムッター氏を解雇したことが29日わかった。米欧メディアが一斉に報じた。同氏はディズニーに経営改革を迫ったアクティビスト(物言う株主)に肩入れするなど、ボブ・アイガー最高経営責任者(CEO)らとの確執が目立っていた。
パルムッター氏は2009年にディズニーによる買収提案を受け入れ、マーベルのファン層を広げるきっかけを作った人物だ。一方で、苛烈な倹約家であり、ヒット作を連発していた著名プロデューサー、ケビン・ファイギ氏の解雇を試みたことでも知られる。政治思想の異なるアイガー氏との折り合いも悪かった。
物言う株主のネルソン・ペルツ氏が1月に仕掛けたディズニーへの委任状争奪戦を巡っては、ペルツ氏の取締役就任を支持していた。ディズニーが2月に大規模なコスト削減策を打ち出してペルツ氏が矛を収めたため、パルムッター氏の去就が関心を集めていた。同氏の解雇はディズニーが進めている、7000人規模の人員削減の一環という。