ゴールドマン、年金向けロボアド買収 資産運用業を強化

【ニューヨーク=宮本岳則】米ゴールドマン・サックスは29日、企業年金向け「ロボットアドバイザー」事業を手がける米ネクストキャピタル・グループを買収すると発表した。管理資産に応じて安定的な手数料収入を見込めるうえ、資産運用部門の顧客層拡大につながると判断した。収益源の多様化によって、景気やマーケット環境に左右されにくい事業構造を目指す。
ゴールドマンの資産運用部門であるゴールドマン・サックス・アセット・マネジメントが買収を主導した。買収額は明らかにしていない。
ネクストキャピタルの提供するロボアドは、企業が従業員に提供する確定拠出年金や、個人退職勘定(IRA)向けに特化したサービスだ。自社でサービスを展開しているほか、年金事業を手がける他の金融機関や運用会社にロボアドのプラットフォーム(基盤)を提供しているケースもある。
同社の顧客は公的年金や保険会社といった大口機関投資家や富裕層が中心だ。ネクストキャピタル買収を通じて顧客層を広げる。ゴールドマンのデービッド・ソロモン最高経営責任者(CEO)は声明で「拡大する確定拠出年金市場に対応するために、テクノロジーへの投資を加速する」と述べた。