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Appleに競合排除の疑い 米新興との著作権訴訟で判明

アップルのiPhone上では原則として審査に合格したアプリしか配信できない=共同

【シリコンバレー=白石武志】米アップルが著作権侵害で米新興セキュリティー企業を訴えていた裁判で、アップルが敗れたことが29日わかった。裁判では同社が新興企業の買収交渉に失敗した末に、提訴に踏み切った経緯も明らかになった。M&A(合併・買収)を駆使した競合排除などの疑いで米当局の調査を受けている同社にとって、新たな痛手となりそうだ。

アップルが2019年8月に訴えを起こした米コレリウムは2017年の設立で、ウェブ上でスマートフォン「iPhone」の基本ソフト「iOS」と同じ仮想化環境を提供するサービスなどを手掛けている。セキュリティーの研究者らは同社の仮想化環境にソフトウエアなどをインストールすることで、バグや脆弱性などを発見できる。

本来、iOSにはアップルの審査に合格したアプリしかインストールすることはできない。コレリウムは「ジェイルブレイク(脱獄)」と呼ぶ手法をつかってiOSを改変し、制限を解除することで研究者らが審査前のアプリを含めて自由にソフトを試せる環境を提供していた。

一審が争われたフロリダ州の連邦地裁のスミス判事は29日付の判決で、コレリウムのサービスが「セキュリティー研究のためのもの」と認め、公共目的の著作物利用を認めた「フェアユース(公正利用)」にあたるとの判断を示した。著作権侵害だとするアップルの主張は退けたが、コピー防止策の迂回などを禁じる「デジタルミレニアム著作権法(DMCA)」違反だとする同社の主張については判断を見送った。

裁判ではアップルが18年1月から夏にかけてコレリウムの買収を試みていたことも明らかになった。同判事は「アップルが買収に成功していれば、同社自身もこの製品を内部テストに使っていただろう」とも指摘した。アップルは判決内容に関するコメントを避けた。コレリウム側のコメントは得られていない。

今回の訴訟で明らかになった事実は、反トラスト法(独占禁止法)違反の疑いでアップルを調査している米当局の注目を集める可能性がある。当初は買収によってコレリウムの技術の取り込みをねらったが、交渉が行き詰まったことで競合とみなし、市場からの排除を目的に著作権侵害で訴えた可能性があるためだ。

12月9日には米連邦取引委員会(FTC)がM&Aによって競争を妨げたとして、米フェイスブックを反トラスト法違反の疑いで提訴したばかりだ。米議会や独禁当局は米IT(情報技術)大手への監視を強めており、アップルについてもアプリ審査の権限やM&Aなどを通じ競合企業を排除していないかどうかの調査を進めている。

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