米シェブロンの20年12月期、4年ぶり最終赤字5800億円

【ニューヨーク=中山修志】米石油メジャーのシェブロンが29日発表した2020年12月期決算は最終損益が約55億ドル(約5800億円)の赤字(前の期は29億ドルの黒字)だった。通期の最終赤字は4年ぶり。新型コロナウイルス危機によるエネルギー需要の減少で石油・天然ガスの採算が悪化した。
通期の最終赤字は原油相場の急落で採算が悪化した16年以来で、赤字幅は過去最大となった。新型コロナに伴う経済活動の停滞で世界のエネルギー需要が低迷し、売上高が944億ドルと前の期から32%減少した。設備投資は135億ドルと同36%減った。
20年10~12月期の売上高は前年同期比28%減の248億ドル、最終損益は6億ドルの赤字だった。赤字幅は天然ガス資産などで100億ドル超の減損損失を出した前年同期から縮小したものの、3四半期連続の最終赤字となった。
米原油先物指標のWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)は足元1バレル52ドル台で推移しており、20ドル近辺だった20年3~4月から大幅に回復した。一方、化石燃料の開発抑制と再生可能エネルギーの振興を掲げるバイデン米政権の発足は石油業界にとって逆風となる。
バイデン大統領は27日に連邦政府の管理地や海洋での石油・天然ガス開発を制限する大統領令に署名した。シェブロンのマイケル・ワース最高経営責任者(CEO)は29日の決算会見で「今後数カ月で固まる規制内容を注視していく。メキシコ湾の資源開発には大きなリスクになりそうだ」と懸念を示した。
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