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米2年債利回り、一時10年債上回る 景気不安映す

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【ニューヨーク=斉藤雄太】29日の米債券市場で2年物の国債利回りが一時、10年債を上回る「逆イールド」が発生した。2019年夏以来、約2年半ぶりの現象となる。市場では景気後退のシグナルとされ、米連邦準備理事会(FRB)が急速な金融引き締めに動くことで景気が冷え込む展開を投資家が織り込む動きをみせている。

リフィニティブによると、29日は2年債利回りが2.39%付近で10年債を一時上回った。通常、債券の利回りは年限が長くなるほど返済リスクなどを踏まえて高くなる傾向があるが、28日には5年債利回りが約16年ぶりに30年債を一時上回るなど、逆イールドが随所で起きている。

特に2年債と10年債の利回り逆転は過去にも景気後退の1~2年前に発生しており、市場参加者の関心が高い指標の一つになっている。2000年代のIT(情報技術)バブル崩壊やリーマン危機の前にも出現していた。前回は米中貿易摩擦が激化した19年に一時発生し、その後の新型コロナウイルスの感染拡大で米経済は大幅なマイナス成長に陥った。

足元ではパウエルFRB議長が1度に0.5%の大幅利上げに動く可能性を示唆したことで、政策金利の変化に敏感な2年債利回りの上昇に弾みがつき、3月に入ってから0.9%以上上がった(価格は下がった)。米長期金利の指標になる10年債利回りは3月に0.6%程度上がったが、相対的に上昇幅は限定的だ。FRBの利上げや保有資産を削減する量的引き締め(QT)が急速に進むことで中長期的に景気が冷え込み、年限の長い国債が買われて長期金利は下がるとの連想が働いている。

FRBは米景気や雇用環境の強さを強調しており、利回り逆転もより短い年限における動きを注視する構えをみせている。市場では「これまで2年債と10年債の利回りが発するシグナルを軽視してきたことを考えれば、FRBが政策姿勢を変えるとは考えにくい」(バークレイズのアンシュル・プラダン氏)との声が上がる。

一方、ニューヨーク連銀前総裁のビル・ダドリー氏は米ブルームバーグへの寄稿で「引き締めへの着手があまりに遅かったFRBが、これから景気後退を招かずにインフレを抑えるという軟着陸を達成できると思えない」と指摘した。

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