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米GDP回復、「モノの消費」24%増 現金給付で特需

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米国では個人消費が急回復している(ニューヨーク市内の百貨店)=ロイター

【ニューヨーク=後藤達也】1~3月の米実質国内総生産(GDP)は前期比で6.4%(年率)成長した。けん引役は急回復した個人消費(10.7%増)で、政府の現金給付や経済再開が特需の様相を呈し、買い物や住宅購入が急増した。4~6月は経済再開がさらに進み、GDPは過去最高だった19年10~12月期を上回る公算も大きくなっている。

個人消費の成長率は15~19年の平均の約4倍に達する。なかでもモノの消費は23.6%増と際立つ。1月にトランプ前政権下での現金給付があったほか、3月にはバイデン政権の経済対策が成立し、新たな現金給付が始まった。中古車など耐久財への需要が急速に回復している。

サービス消費は4.6%増とモノの消費よりは伸びが鈍い。1月はコロナ感染者が過去最大となり、営業規制も多くの地域で残っていたためだ。ただワクチン接種が進むとともに感染は1月半ば以降に減少。3月にかけサービスの消費も伸びが強まったとみられる。

住宅投資も10.8%と高い伸びを記録した。歴史的に低い金利が続く中、郊外を中心に住宅の需要が増え、価格も値上がりが目立っている。設備投資も9.9%増え、企業の経済活動も活発化している。

米国では4月半ばにワクチン接種が2億回を超えた。ファイザー製で必要な2回接種した人も増え、十分な抗体を持った人が急増しているとみられる。デブラシオ・ニューヨーク市長は29日に米テレビで、7月に経済が完全に再開するとの考えを示した。外食やオフィス、劇場などが通常の定員に戻る見通しだ。

リフィニティブの集計によれば、4~6月期の成長率の民間予想は8.5%とさらに加速する。GDPの水準でみても、コロナ流行前の19年10~12月期を上回るのが確実な情勢だ。大規模な経済対策やワクチン接種の進展を背景に、日本やユーロ圏よりも回復の勢いが際立つ。

ただ現金給付の効果は4~6月がピークで、徐々に薄れていく見通しだ。経済再開によりレジャー需要の反動増も次第に落ち着くとみられている。今年後半は4%台の成長、22年は3%程度と、巡航速度の経済成長に近づいていくとみられている。

変異ウイルスなど不確実性は残るが、コロナ感染が収束に向かえば、経済政策も徐々に正常化へとカジをきる方向に向かいやすい。2022年の米財政赤字の民間予想は1.5兆ドル程度と21年(3.5兆ドル程度)から半分以下になるとみられている。雇用が急回復すれば、米連邦準備理事会(FRB)は21年中にも資産購入の縮小を始めるとの見方もある。

景気回復の死角は輸出の弱さだ。内需が軒並み急回復する中、輸出は1.1%減った。日本や欧州は景気回復が鈍い。インドで変異ウイルスが急拡大するなど、新興国では景気回復も不透明感が濃い国も多い。世界経済の経済正常化が遅れれば、米景気への逆風も強まるおそれがある。

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