フェデックス、新CEOにスブラマニアムCOOが昇格へ

【ニューヨーク=白岩ひおな】米宅配大手フェデックスは28日、ラジ・スブラマニアム最高執行責任者(COO)が最高経営責任者(CEO)に昇格する人事を発表した。6月1日付で就任する。創業者のフレデリック・スミス現CEOは会長職に専念する。スブラマニアム氏は引き続き社長職も兼任する。

スブラマニアム氏は1991年の入社以来、米国やアジアを中心とするマーケティングや企業戦略の策定に携わり、航空貨物を担うフェデックス・エクスプレスのCEO兼社長などを歴任してきた。同氏は「人材、サービス、利益を中核に企業としての変革を続けていく」とする声明を発表した。
フェデックスの2021年12月~22年2月期決算は売上高が市場予想を上回る前年同期比10%増の236億ドル(約2兆8000億円)、純利益は予想を下回る23%増の11億ドルだった。1月に宅配料金を値上げして利益改善を進める一方、輸送・賃金コスト上昇などの課題にも直面している。
消費者の玄関先まで届ける「ラストワンマイル」をめぐり、米小売り大手ウォルマートや米インターネット通販最大手アマゾン・ドット・コムなどとの競争も激しさを増している。フェデックスは22年中に米国とカナダの10都市で電動カートによる配達実験に乗り出すなど、スブラマニアム氏が主導して新たな取り組みも加速させる。会長職に集中するスミス氏は「持続可能性やイノベーション、公共政策など世界的に重要な問題に注力したい」と述べた。
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