米メルク、新型コロナ飲み薬の売上高4100億円 1~3月

【ニューヨーク=野村優子】米製薬大手メルクは28日、新型コロナウイルスの飲み薬「モルヌピラビル」の2022年1~3月期の売上高が32億ドル(約4100億円)だったと発表した。
米リッジバック・バイオセラピューティクスと共同開発したモルヌピラビルは、世界で1000万回分の供給契約を締結済み。米国で昨年12月に緊急使用許可が出てから、これまで30カ国に640万回分を出荷しており、日本でも実用化されている。
もっとも、通期のモルヌピラビルの売上高見通しは下方修正した。22年の売上高は50億~55億ドルを見込み、従来予想(50億~60億ドル)から引き下げた。米政府は310万回分を購入したが、より有効性が高いとして米製薬大手ファイザーの新型コロナ飲み薬「パクスロビド」の活用を促している。
同日発表した22年1~3月期決算は、純利益が前年同期比57%増の43億ドル、売上高は50%増の159億ドルだった。コロナ飲み薬のほか、主力のがん治療薬や子宮頸(けい)がんの原因となるヒトパピローマウイルス(HPV)のワクチンが好調だった。22年通期の売上高は前期比17~19%増の569億~581億ドルを見込み、従来予想(561億~576億ドル)から上方修正した。