Amazon、メモが書けるKindle 年末商戦へ新製品

【シリコンバレー=佐藤浩実】米アマゾン・ドット・コムは28日、電子書籍端末「Kindle(キンドル)」で、メモを書き込めるようにした新製品を発表した。専用ペンを使って読書中に印象に残った内容を「付箋」に記録したり、パソコンから取り込んだPDFファイルに手書きの記述を加えたりできる。年末商戦に合わせ、日本を含む世界各地で売り出す。
28日に開いた新製品発表会で、専用ペンによる書き込み機能を備えた「キンドル スクライブ」を披露した。画面サイズは10.2インチで、厚さは5.8ミリメートル。「消しゴム」の有無などが異なる2種類のペンを用意しており、日本での価格はペンを含めて4万7980円から。このほど予約の受け付けを始め、年内にも出荷を始める。
アマゾンは2007年からキンドルを販売しているが、ペンによるメモ機能を搭載するのは初めて。ハードウエア部門を率いるデイブ・リンプ上級副社長は「(当初は)読むための端末をつくるのが目標だったが、書くことにまで広げた。読み書きに必要なものが1カ所に集まる」と説明した。書き込んだメモは自動でクラウド上に保管される。
米アップルの「iPad」などを見ても、PDFなどにメモを書き込むアプリの需要は大きい。iPad上でキンドルのアプリとメモ帳アプリを並べて使うユーザーもいる。キンドルの端末そのものに「手書き」の機能を加えることで、こうした需要を一部取り込む狙いがありそうだ。
アマゾンは他にも、動画配信端末「Fire TV(ファイアTV)」の機能を組み込んだテレビやスマートスピーカー「エコー」シリーズの新製品、照明や目覚ましアラームを備えた睡眠管理端末などを発表した。
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