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米巨額経済対策、200兆円に半減 バイデン大統領方針

(更新)

【ワシントン=大越匡洋】バイデン米大統領は看板政策の1つである子育て支援や気候変動対策に長期に財政資金を投じる歳出・歳入法案について規模を当初想定から半減し、10年で1.75兆ドル(約200兆円)とする枠組みを決めた。与党・民主党内の路線対立が解けず、当初めざした法人税率、個人所得税の最高税率の引き上げは見送る。政権は党内論争を決着させる構えだ。

バイデン大統領は28日朝、下院の党員集会で「ビルド・バック・ベター(よりよき再建)法案」と名付けた政策の枠組みを表明し、早期実現を訴える。政府高官は「民主党上院議員全員の支持を得て、さらに下院も通過すると確信している」と話す。

法人税率などの引き上げを見送る代わり、財源として巨大企業を対象に会計上の利益に最低15%を課すことを盛った。自社株買いへの1%課税のほか、年間所得が1000万ドルを超える個人富裕層に追加税率を導入する方針だ。国際社会が合意した多国籍企業を対象に各国が15%の最低税率を定める税制改正もめざす。

政権は10年間の歳入増を1兆9950億ドルと見込み、歳出増をすべて賄えると説明する。ただ徴税強化による4000億ドルといった効果が不透明なものも含まれている。施策として幼児教育の機会拡充や子育て支援に4000億ドルを投じるほか、子育て世帯の減税拡充、再生エネルギー投資への税額控除などを挙げた。1.75兆ドルと別枠で移民対策に1000億ドルを費やす方針も表明した。

歳出・歳入法案は当初、10年で3.5兆ドルの財政資金を投じることをめざし、急進左派がリベラル層に訴える政策を網羅していた。これに対し、保守系に近い党内中道派のマンチン、シネマ両上院議員が財政膨張や税率引き上げに反対。対立が深まった。

上院は民主、共和が各50議席で勢力が拮抗し、法案実現のためには1人の造反も許されない。マンチン、シネマ両氏はバイデン政権のもう一つの看板政策である超党派インフラ投資法案を主導し、すでに上院で可決したが、民主党左派は歳出・歳入法案の政策を実現しない限りインフラ法案の下院採決に応じないと主張。膠着が続いた。

バイデン氏は28日中に欧州歴訪に出発し、英国での第26回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP26)などに出席する。11月初めには接戦が伝えられるバージニア州知事選を控えており、政権支持率が低迷するなかで具体的な成果を急いでいる。

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