米エクソン、「棚ぼた利益」増税に反対 EUを提訴 - 日本経済新聞
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米エクソン、「棚ぼた利益」増税に反対 EUを提訴

(更新)

【米州総局=清水孝輔】米石油大手のエクソンモービルが石油業界への課税を強化する欧州連合(EU)を提訴したことが28日にわかった。英フィナンシャル・タイムズ(FT)が報じた。ロシアによるウクライナ侵攻でエネルギー価格が高騰するなか、労せずして利益が膨らんだとして石油企業への増税を決めたEUに反対している。

FTによると、欧州にあるエクソンの子会社が28日にEU司法裁判所の一般裁判所(ルクセンブルク)に提訴した。EUは増税で250億ユーロ(約3兆6000億円)を捻出し、エネルギー価格高騰の対策に充てようとしている。エクソンはエネルギー企業に対する徴税の強化に向けたEUの合意が不当だと主張している。

欧州では棚からぼた餅のように得られた利益を対象にする「ウインドフォール課税」が広がっている。英国政府は2023年1月から、28年3月までの期限つきで石油・ガス会社の利益に対する追加課税の税率を25%から35%に引き上げる予定だ。ドイツやスペインは電力会社の利益に追加課税している。各国政府はエネルギー企業への増税をインフレ対策の財源にしようとしている。

米国でも利益が膨らむエネルギー企業への風当たりが強まっている。バイデン米大統領は10月末、歴史的な好決算を発表した石油メジャーについて「消費者のために価格を下げようとしないなら、超過利潤に高い税金を払うことになる」と指摘した。カリフォルニア州のニューサム知事(民主)も9月にウインドフォール課税を検討すると表明した。

企業側はウインドフォール課税に反対している。米石油協会のマイク・ソマーズ会長は課税の可能性に言及したバイデン氏に対し、同日に発表した書簡で「エネルギーへの増税は新たな生産のための投資意欲をそぐ」と反論した。石油企業が設備投資を控えれば、エネルギーの安定供給に逆風となると主張した。

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