米空港、コロナ下で利用最多に 休暇後に感染拡大の恐れ

【ニューヨーク=大島有美子】米運輸保安局(TSA)によると米国内の空港利用者数が27日に128万人となり、新型コロナウイルス禍に入った3月中旬以降で最多となった。クリスマス休暇で帰省などの移動が増えている。保健当局は休暇で人が集まることで、感染者数がさらに広がると懸念する。
TSAは米国内空港の保安検査所を通過した人数を記録している。27日は前年比50%減の128万4599人で、3月15日(152万人)以来の高水準となった。クリスマス休暇を終え自宅に帰る人が集中したとみられる。基調をみるため7日移動平均を取ると100万人。1日辺りの利用者は1カ月で約10万人増えた。

米国立アレルギー感染症研究所のファウチ所長は27日、米CNNのテレビ番組で「(感染者数は)拡大に次ぐ拡大をみるだろう」と警鐘を鳴らした。米国では人が移動したり集まったりする休暇が終わると感染が広がる傾向がみられた。米ジョンズ・ホプキンス大のデータによると11月25日の感謝祭前は7日移動平均で17万人だった感染者が、感謝祭後2週間で20万人に増えた。
東部マサチューセッツ州は住民に対して「一緒に住む人だけで過ごす」よう呼びかけるなど、州政府や米疾病対策センター(CDC)は感染対策を講じるよう呼びかけている。だがコロナ禍が長期化するなかで徹底が難しいのが現状だ。
米国でのコロナ累計感染者数は27日に1900万人を超えた。1日当たりの感染者数は7日移動平均で18万4000人と、18日(22万人)をピークに減りつつある。ただ米国の感染状況を分析する「COVIDトラッキング・プロジェクト」は休暇で各地のデータが収集しきれておらず「今後計上される可能性がある」と指摘。実際の感染者数は数字より多い可能性がある。