Shopify、4~6月期57%増収 初の10億ドル突破
【シリコンバレー=白岩ひおな】電子商取引(EC)プラットフォームを手掛けるカナダのショッピファイが28日発表した2021年4~6月期の売上高は前年同期比57%増の約11億2000万ドル(約1233億円)だった。ファクトセットの事前予想(47%増の10億5100万ドル)を上回り、四半期で初めて10億ドルを超えた。新型コロナウイルス禍の長期化でオンライン消費が好調で、企業のインターネット通販サイト構築の需要が伸びた。

ショッピファイはネット通販のノウハウが乏しい中小企業などに通販サイトの作成から商品の在庫管理、決済、配送までを担う独自のシステムを提供する。世界で170万社以上が導入しており、ショッピファイが構築を支援した通販サイトで買い物をする消費者は年間で4億5700万人に上る。
純利益は8億7910万ドル(1株あたり6.90ドル)で、前年同期の3600万ドル(1株あたり29セント)から大幅に増えた。株式投資の未実現利益7億7800万ドルが含まれる。取引総額は40%増の422億ドルで、アナリストによる事前予想の404億ドルを上回った。
コロナ禍でのオンライン消費の急成長を追い風に、20年4~6月期から21年1~3月期までの各四半期の売上高は前年同期と比べほぼ2倍の伸びとなった。一方、足元の21年4~6月期の売上高伸び率は21年1~3月期(110%増)から53.6ポイント縮小した。
エイミー・シェパロ最高財務責任者(CFO)は年後半について「20年と比べ売上高の伸びは鈍化するが、コロナ前の水準と比べ高い収益の成長を見込む」との見通しを示した。経済が正常化に向かい、消費の一部は実店舗に戻る一方、新型コロナ禍で消費者に定着したネット通販の利用は続くとみる。具体的な業績予想は示さず、決算発表後の株価は前日終値から3%下落した。