米国、半導体補助金7兆円へ前進 対中投資には制限 - 日本経済新聞
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米国、半導体補助金7兆円へ前進 対中投資には制限

米議会上院は27日、半導体産業に527億ドル(約7兆1000億円)の補助金を投じる法案を可決した。下院も近く採決する予定で、成立に向けて前進した。米政府が高収益の半導体メーカーを支援する計画に批判もあったが、中国への半導体投資を制限する条件をつけることで与野党が賛成した。

法案は2022会計年度(21年10月~22年9月)から5年間、国内に半導体工場を誘致するための補助金として390億ドルを投じる。研究開発のほか、軍事用半導体の開発、半導体産業の人材育成などにも資金を振り向ける。

22年末以降に稼働する半導体工場に4年間、投資額の25%に相当する税額控除の制度を設けて企業の対米投資を促す。

半導体とは別に、科学分野に1020億ドルをあてる。人工知能(AI)や量子コンピューターなどの先端研究や基礎研究を政府が支援する。

これまで米インテルや台湾積体電路製造(TSMC)、韓国サムスン電子が米国に先端半導体の工場建設を表明しており、すでに一部は建設が始まった。各社は補助金をもとに、高コストの米国でも工場を維持できる生産体制をめざす。

補助金を受け取った企業が低コストの中国に投資して「結果的に中国を利する形になる」との懸念が根強かった。法案にはこうした企業が10年間、中国に投資しないと米政府に確約する条項を取り入れた。

投資制限は半導体メーカーの経営戦略に影響を及ぼす可能性がある。中国では韓国SKハイニックスが江蘇省でメモリーのDRAMを生産する。米国で研究開発拠点を設けており、米政府の補助金を受ければ対中投資計画の見直しを迫られかねない。

サムスンは中国・西安市に主要なメモリー製品の「NAND型フラッシュメモリー」の工場を持つ。これは旧世代品と分類され、対中投資規制の対象外になる見通しだ。

TSMCは先端品の生産を台湾にほぼ集中させており、中国の江蘇省南京市に持つ工場は旧世代品の製造を担う。南京の工場は当面必要な増産投資を21年に決定済みだ。米インテルはメモリー事業を中国で手掛けていたが、SKハイニックスへの売却を20年に表明済みだ。中国には力を入れていない。両社にとって規制の影響は大きくないとみられている。

半導体補助金は当初、包括的な中国対抗法案に盛られた。与野党の調整が難航して上院と下院の法案を一本化できなかったため、半導体補助金の部分を切り離し、上院が可決した。下院は28日にも採決する。米国の半導体補助金を巡る問題は、1年遅れで決着が見えてきた。

(ワシントン=鳳山太成、ソウル=細川幸太郎、台北=龍元秀明)

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